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平成22年3月19日

住宅地4・2%、商業地6・1%−公示地価、2年連続下落

上昇地点、過去最少を更新

 国土交通省は18日、今年1月1日時点の公示地価を発表した。住宅地、商業地ともに全国平均で2年連続下落し、下落率は住宅地4・2%、商業地6・1%だった。公示地価は前年、世界的な景気後退を受けて3年ぶりに下落したが、土地需要が依然低迷していることを反映し、下落率はいずれも前年より拡大した。全国約2万7000の調査地点のうち上昇したのは7地点のみで、1970年の調査開始以降、前年の23地点を下回り過去最少を更新した。

 一方、都道府県地価調査(毎年7月1日時点)と共通する約890の調査地点を対象に昨年を前半(1〜6月)と後半(7〜12月)に分けて下落率を分析したところ、三大都市圏(東京、大阪、名古屋)の商業地は前半が4・4%だったのに対し、後半は3・1%に縮小。住宅地も前半の2・9%から後半は2・0%に下げ幅が縮まった。

 国交省は「09年10〜12月の国内総生産(GDP)がプラスに転じるなど経済環境の変化が後半の下落率縮小につながった」(地価調査課)とみている。

 三大都市圏の下げ幅は住宅地4・5%、商業地7・1%。東京23区は住宅地6・8%、商業地9・8%のマイナスだった。商業地の下落率上位10地点のうち9地点は港、中央、渋谷3区に集中している。

 トヨタ自動車など製造業の業績悪化の影響を受けた名古屋圏では、前年調査で商業地の下落率上位10地点中、9地点を占めた名古屋市中心部で持ち直し傾向が見られ、今回ランク入りした地点はなかった。大阪圏は住宅地4・8%、商業地7・4%のマイナス。

 地方圏は、住宅地3・8%、商業地5・3%でいずれも18年連続の下落。住宅地の下落率上位10地点には、東京23区の3地点以外に地方圏から熊本県天草市(2地点)、札幌市(3地点)、千葉県市川市(2地点)が入った。

 上昇した7地点の内訳は、名古屋市緑区が5地点、静岡県長泉町が2地点。緑区は地下鉄の延伸を見越した需要増が要因。長泉町は健康関連産業の誘致などが功を奏した。

 地価最高地点は、住宅地が14年連続で東京都千代田区五番町12の6。価格は1平方メートル当たり283万円。商業地は4年連続で中央区銀座4丁目の山野楽器銀座本店となり、同2840万円だった。

地価上昇、展望できず 取引回復時期は不透明

 国土交通省が18日発表した公示地価は、商業地、住宅地とも下落基調を脱していないことを裏付けた。都市部では賃料が下がった好立地のオフィスビルに企業の引き合いが出ているが、景気低迷で不動産取引の回復時期は不透明。地方も人口減少などの問題を抱える。全国的にまだ地価上昇を展望できない状況だ。

 かつて不動産売買の中心を占めた国内外の不動産投資ファンドは、金融危機で資金調達が困難になり、存在感が低下している。住信基礎研究所(東京)によると、機関投資家などから資金を集める「私募ファンド」の運用資産額は昨年12月末で13兆9000億円と、同6月末に比べ1・4%減少。2008年以降はほぼ横ばいが続き、不動産取引の低迷を物語っている。

 中央三井信託銀行が不動産運用事業に参入するなど、新たな投資の動きも見られる。しかし、大手不動産の関係者は「投資家は市況悪化で保有物件売却に依然慎重なため、買いたい物件が十分出回っていない」と市場の厳しさを指摘する。

 09年の住宅着工戸数が45年ぶりに80万戸を割り込み、東京や大阪、名古屋など主要都市でオフィスビルの空室率が軒並み上昇している。マンション分譲大手の関係者は「首都圏で積み上がった在庫の調整が進み、開発業者が用地取得を活発化させている」と語るが、全国的な広がりはない。地価にとって明るい材料はまだ少ないのが実情だ。



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