平成21年7月24日
ASEAN地域フォーラム、米との対立で深まる北包囲網−提案拒否でさらなる
孤立化も
【プーケット時事】北朝鮮の5月の核実験以降、6カ国協議関係国が一堂に会する初めての国際会議となった東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)では日米韓など各国が強硬姿勢を変えない北朝鮮を一斉に非難、国際的な対北包囲網を狭める動きに出た。一方で北朝鮮代表団は米オバマ政権の「敵視政策」を改めて非難し、同政権が検討を始めた「包括的提案」を拒否、対決姿勢がさらに鮮明となった。
「(北朝鮮の)非核化に向けて国際社会が努力している中で、北朝鮮をかばう友人はいない。彼らに行き場はない」−。クリントン米国務長官は記者会見でこう訴え、核放棄を要求。米国代表団は今回、北朝鮮と軍事交流があるとされるミャンマー側とも会談し、国連安保理決議履行へクギを刺した。
こうした動きに北朝鮮も警戒感を隠さなかった。代表団のメンバー、李興植外務省国際機構局長は記者会見を開き、「米国の敵視政策の放棄」を重ねて要求。北朝鮮の後戻りできない非核化への合意を前提として、米国が検討している「包括的提案」については「ブッシュ政権時代のCVID(完全で検証可能かつ不可逆的な核放棄)そのままだ」と切り捨てた。
北朝鮮の出方について、韓国の尹徳敏外交安保研究院教授は「既存の立場を繰り返しており、交渉する状態でないことが明らかだ」と指摘する。今回のARFで北朝鮮は、首席代表として朴宜春外相ではなく、格下で核問題や対米交渉の専門家でもない朴根光大使を派遣。「北朝鮮に交渉の意思がない」(日本政府関係者)ことは事前に予想されてはいた。
ただ、李局長は「対話を拒否しているわけではない」と強調し、米国が示す条件次第では交渉に応じるとの認識も示した。また、北朝鮮は7月4日の弾道ミサイル発射後、軍事的な挑発行動を抑制し、国連安保理が16日に個人も対象に含めた追加制裁を決めた後も、これに対する反発を見せていない。こうした流れから、「北朝鮮は有利な交渉の条件作りを目指し、状況を見極めている」(韓国政府関係者)との指摘も出ている。