平成21年5月11日
孤独と不安 「停留」生活
携帯で連絡、激励の手紙も
新型インフルで足止めの高校生ら
カナダから帰国した大阪府内の高校生らが新型インフルエンザと確認されて以降、一緒に帰国した生徒らは成田空港近くのホテルに「停留」されている。感染拡大を防ぐため外出を禁じられ、生徒同士の接触も制限される生活。孤独と不安が募る中、生徒らは携帯電話で家族や友人と連絡を取り合い、外とのつながりを保っている。
停留は検疫法に基づく措置で、違反すれば罰則もある。カナダでの交流事業には府内の三校から生徒三十人、教員六人が参加。感染が確認された四人は病院に隔離され、残りの生徒やほかの乗客ら約五十人が停留の対象になっている。
各高校によると、生徒らは全員同じ階で個室を割り当てられ、外部の人間との面会は禁止。決められた時間帯なら同じ階のロビーでほかの生徒と会えるが、マスクの着用を義務付けられ、近づける距離も制限されている。食事は数メートルずつ離されたテーブルで取っているという。
「眠りづらい」「一人で検査に向かうのが不安」。携帯電話で家族に不安を訴える生徒もおり、中には「帰国するつもりでシャンプーやリンスを捨てて来たから送って」という声も。DVDを見て過ごすなど、大半の生徒が時間を持て余しているという。
一方、中間テストを間近に控えているため「教材のプリントが欲しい」と希望する生徒も多く、三年生からは「(大学の)オープンキャンパスの予定が知りたい」との声も寄せられている。
不安を和らげようと、ある高校は教材のほか、同級生や部活仲間の激励の手紙を送付。「パソコンが欲しい」との要望もあり、ホテルのパソコン数台を借り、小まめに消毒して生徒に使わせる手配もした。
保護者からは「ちゃんとご飯を食べているか心配」「ホテルにカウンセラーを派遣して心のケアをしてほしい」との声も。各校は懸命の対応を続けている。
「新型」でも基本の徹底を マスク、手洗い励行で予防
国内初の感染者が確認された新型インフルエンザ。ウイルスは現段階では弱毒性で、感染が確認された大阪府立高校の生徒らに表れている症状も三七−三八度の発熱やせきで、いずれも軽症だ。
専門家は、感染予防のためには通常の季節性インフルエンザ対策と変わらず、マスク装着や手洗い、うがいの励行といった基本の徹底が重要としている。
季節性インフルエンザ同様、新型もせきやくしゃみの飛沫(ひまつ)で感染する。このため厚労省は、感染拡大防止策として、せきやくしゃみをする際に口や鼻を覆ったり、マスクを着ける「せきエチケット」を奨励。マスクは市販のもので十分で、不織布製がいいとされる。鼻から口、あごまでを覆うように装着し、捨てる時は表面に触れないようにし、ウイルス飛散を避けるためふた付きのごみ箱に捨てる。
マスクと並んで大事なのが手洗い。時計や指輪を外し、石けんを十分に泡立てた上で、手のひらや指やつめの間、手首などを入念にこすり合わせる。十五秒以上が目標だ。清潔なタオルで十分にふき、共用のタオルは使わない。
新型の症状は季節性インフルエンザと同じで、高熱やくしゃみ、鼻水、倦怠(けんたい)感など。疑わしいと感じた場合は、すぐ医療機関に行かず、各都道府県の健康担当部署に設置されている発熱相談センターなどに電話で問い合わせ、指示を受ける。