平成21年1月28日
野村HD通期大幅赤字も、損失底なしに
野村HD・4−12月期、純損失4923億円
過去最大、通期大幅赤字も
証券最大手の野村ホールディングス(HD)が二十七日発表した二○○八年四−十二月期決算(米国会計基準)は、純損益が四千九百二十三億五千八百万円の大幅赤字(前年同期八百六十億円の黒字)となった。金融危機の直撃で主要部門が苦戦。経営破綻(はたん)した米証券大手リーマン・ブラザーズの部門買収費も響いた。四−十二月期決算の赤字幅は、米国会計基準で四半期決算の公表を始めた○一年四−六月期以来、過去最大。
世界的な株価低迷で厳しい経営環境が続いており、巨額の赤字を早期に穴埋めするのは難しい情勢にある。○九年三月期決算は上場来初となる二年連続の通期赤字が濃厚だ。このため、○九年一−三月期の配当を見送るほか、役員賞与を全額カットし経営責任を明確化する。
四−十二月期の売上高に当たる収益合計は前年同期比72・1%減の二千百三十四億円。昨年十月以降の株安で株式売買委託手数料など、安定的な収益源だった個人向け業務が不振を極めた。自己資金による株式・債券取引、企業の合併・買収(M&A)仲介など投資銀行業務も軒並み赤字となった。
さらに、出資先の米ファンド運用会社株の減損や米ナスダック元会長による詐欺関連損失などが重なり、赤字幅は十−十二月期だけで三千四百二十九億円と四半期としては最大。自己資本増強のため、昨年末に調達した約四千百億円の大半が吹き飛んだ格好だ。
記者会見した仲田正史執行役財務統括責任者は、大幅な赤字決算について陳謝。「早急に業績回復に取り組む」と述べ、投資や事業の重点分野を絞り込み資産売却を進めるほか、○九年度は人件費を含む経費を10%削減する方針を明らかにした。
収益総崩れ、損失底なしに−野村HD リーマン効果発揮に時間
野村ホールディングスが二十七日発表した二○○八年四−十二月期連結決算は、損失処理が膨らみ続け、四・四半期連続の赤字と「底なし沼」にはまり込んだ。米証券大手リーマン・ブラザーズの買収効果を期待するが、金融危機の余波が続く中、収益力発揮にはなお時間を要しそうだ。
野村は、国内営業(リテール)部門の安定収益がグループの屋台骨となってきた。しかし、リーマン破綻(はたん)後の市場混乱で、株式売買委託や投資信託の販売手数料収入が落ち込み、同部門の税前利益は前年同期比92%減の二十三億円と激減。自己資金による投資や株式の運用損などをカバーできなかった。
一方、国内依存体質から脱却するため、野村は旧リーマンを生かし海外事業を強化している。実際、十−十二月期に中国とカナダ企業の合併・買収(M&A)仲介は旧リーマンが中心となって実現。「圧倒的な収益力」(幹部)の発揮を目指し、財務基盤の健全性を急いでいる。四−十二月期にはアイスランドの銀行向け投資損など計二千四百三十四億円に上る損失を計上。「市場の悪い流れからいち早く抜け出している」(仲田正史執行役)と胸を張る。
ただ、七千人規模で抱え込んだ旧リーマン社員の人件費は○九年一−三月期も約六百億円生じる。さらに米国の商業用不動産ローン担保証券(CMBS)も残っており、値下がりリスクのある「負の遺産」が一掃されたとは言えない。長引く市場低迷は新たな損失拡大につながりかねず、厳しい経営が続きそうだ。
傘下2証券の統合検討−野村HD
野村ホールディングスは二十七日、インターネット専業で全額出資子会社のジョインベスト証券(東京)について、傘下の野村証券との統合を検討する方針を明らかにした。二○○六年の事業開始以来、ネットを活用した顧客層の開拓で「一定の成果を得た」(仲田正史執行役)と判断。今後は対面営業に強い野村証券とネット証券の相乗効果を発揮できる戦略を模索する。