サービス案内メルマガ会社案内新聞購読書籍世日ショップ電子チラシプレスリリース旅倶楽部 Google Web サイト内
ホーム ワールドネット
今日のトピックス
BACKを見る
平成21年1月27日

密輸トンネル、なお盛況−パレスチナ・ガザ

危険すり抜け一獲千金

 三週間余りに及んだイスラエル軍の大規模軍事作戦は、パレスチナ自治区ガザ南部ラファの対エジプト境界地帯に無数に掘られた密輸用トンネル壊滅が主要目的の一つだった。しかし、激しい空爆が終結してから一週間、現地では修復に向けたトンネルの掘削作業が盛んに行われている。イスラム根本主義組織ハマス封じ込めの結果として生まれたトンネルは、一獲千金を狙うガザの男たちを引き付けてやまない。

 ◇常に空爆の恐怖

 ドドドド…。エジプトとの境界に近づくと、あちこちから穴を掘る工作機械の音が聞こえてくる。「おい、きょう空爆があるって本当か」。穴のそばにいたイブラヒムと名乗るトンネル管理者の男性(30)が険しい表情で尋ねてきた。

 イスラエル軍が密輸トンネルを改めて破壊するため、再び攻撃を加えるとのうわさが流れ、作業員に恐怖が広がっている。記者が返答に窮すると、男性は「それなら一緒に吹き飛ばされようぜ」と薄黒い前歯を見せて笑えない冗談を言った。

 ◇破格の作業報酬

 ひげ面で体格のいいアハマド・サールさん(33)は、ガザ北部のジャバリヤ難民キャンプからやってきた。トンネルに億万長者の夢を託す。

 サールさんや仲間によると、トンネル工事をゼロから始めれば開通に半年ほどかかる。ラファのガザ側とエジプト側にそれぞれ深さ八の穴を掘り、地中を長さ三百霑のトンネルで結ぶ。費用は約十万(約九百万円)だ。

 軍事作戦で二百とも三百ともいわれたトンネルの大半が不通となった。放棄されたものも多いが、トンネル部分やエジプト側の穴が無傷のケースもあるようだ。「ガザ側で穴を掘り直し、誰かが以前掘ったトンネルとつなげて破損部分を修復できれば、十日ほどで再開通できる」(サールさん)という。

 密輸は一日平均二千(約十七万七千円)以上の利益が見込める。稼ぎを求めて集まった作業員にはガザでは破格の二十五−三十靜相当の日当が支払われている。

 ◇もぐら叩きにも

 密輸ビジネスの繁盛には、それなりの理由がある。イスラエルはハマス弱体化を図るため、経済封鎖のほか、軍事作戦では工場や農地の徹底破壊を続けてきた。住民は働き口を失い、最新の失業率は七割以上に達したとの見方もある。

 軍事作戦後も検問所封鎖で建設資材が入らず、ガザには「復興特需」もない。作戦で打撃を受けたハマスは新たな武器を調達する必要に迫られており、密輸をひそかに奨励している。ガザより物価が安いエジプト側でも、同じ商品をガザで売ればもっともうかると、協力者に事欠かない。

 ガザのジャーナリストは「トンネル管理者は金になる物は何でも搬入する。イスラエルやエジプトによる検問所の封鎖は結果的に密輸の正当性を認めているようなもので、武器流入を阻止する上でもマイナスだ」と指摘、検問所の封鎖解除までこうした現象は続くと予想した。(ラファ=パレスチナ自治区ガザ=時事)



この記事を友達に教える

●国際政治経済情勢に詳しい 日刊紙・世界日報、電子新聞の試読・購読はこちら

今日のトピックスHOME

(C)Sekai Nippo Co.Ltd(1975-) Tokyo,Japan.
voice@worldtimes.co.jp