平成20年11月8日
「オバマ外交」早くも試練
ロシアが恫喝、イスラエルも牽制
【ワシントン7日時事】米民主党のオバマ次期大統領が早くも外交分野で試練にさらされている。ロシアのメドベージェフ大統領が東欧へのミサイル防衛(MD)問題で警告を発したほか、核開発を進めるイランとの対話路線に対して同盟国イスラエルが強いけん制球を放った。オバマ氏は六日、麻生太郎首相を含む同盟国首脳と相次いで電話会談を行い、「オバマ外交」が始動したが、ブッシュ大統領の残した外交課題は山積しており、次期政権は難しいかじ取りを余儀なくされそうだ。
メドベージェフ大統領は五日、オバマ氏当選から数時間後に米国の推進するポーランド、チェコへのMD配備に対抗するため、ポーランドに隣接するロシアの飛び地カリーニングラード州にミサイルを配備すると警告した。
オバマ氏はイランのミサイルの脅威に対抗する目的でのMD配備を支持しており、この点ではブッシュ政権と大きな差がない。ロシアはそんなオバマ氏をどう喝し、挑戦状を突き付けた形だ。ロシアにとって、MD問題が米露間の最重要課題との考えをオバマ氏に伝える狙いもある。オバマ氏は対露政策の早急な具体化を迫られている。
オバマ氏の掲げるイランとの対話外交も、米・イスラエル同盟に影を落としている。ロイター通信によると、イスラエルのリブニ外相は六日、イランとの対話路線は「弱さの表れ」と解釈されると批判し、オバマ外交に懸念を示した。
イランのアハマディネジャド大統領は、オバマ氏に異例の祝辞を贈ったが、米・イスラエル同盟にくさびを打ち込む思惑は明らか。次期政権による中東政策の再構築は難航しそうな気配だ。
北朝鮮もオバマ氏の「対話外交」に対して要求をつり上げるのは確実で、核放棄に向けたプロセスも前途多難と言える。