書評
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『海外コリアン』

朴 三石

民族意識がパワーの源泉

 ニューヨークでは溢れるハングル文字に驚かされる。八百屋の実に80%はコリアンだ。二百万人が暮らす米国、中国をはじめ海外コリアンは六百万、華僑・華人に次ぐ規模で、まさに「海水の至るところコリアンあり」だ。しかも、彼らは現地に同化・埋没することなく強烈に民族を主張する。そのパワーはどこからくるのか。

 第一に教育熱心なこと。語学を中心とした民族教育を行い、各国に民族学校を建てている。旧ソ連のコリアンは強制移住させられた時、最初に学校を建設したという。その底力は儒教文化だけでは説明できない。やはり、ユダヤ人のように迫害され続けた歴史の故であろう。

 一方、三世、四世になると言葉や民族を忘れる悩みも共通している。そうした新しい世代に、民族を意識することで成功したソフトバンクの孫正義らの例を挙げ、著者は警告を発する。

(中公新書、七八〇円+税)



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