社説
2010年2月7日

北方領土の日/4島一括返還へ全力尽くせ

 30回目の「北方領土の日」を迎えた。旧ソ連が1945年、当時有効だった日ソ中立条約を一方的に破り対日参戦し、択捉島、国後島、色丹島、歯舞群島を不法占拠し、現在もその状態が続いている。

 鳩山由紀夫首相はきょうの北方領土返還大会に出席し、4島一括返還に向けた強い決意を明確にすべきだ。

運動の後継者育成を推進

 第2次大戦終結後も続いたソ連軍の不法な侵攻で、北方四島は占領された。この戦闘のために、多くの非戦闘員も犠牲になった。

 さらには、旧日本軍人や民間人など約60万人を国際法に違反してシベリアに抑留した。強制労働や厳寒、栄養失調などによって約6万人が命を落としたのである。

 こうした侵略と不法行為を放置したまま、平和条約締結による全面的な関係正常化に踏み切ることなど到底できるものではない。

 ロシアのかたくなな姿勢により領土交渉が長期化する中、元島民1世の平均年齢は70歳を超えた。

 また、北方四島に隣接する根室支庁地域では経済の低迷などから過疎化が進んでいる。返還運動の活力をどのように維持するかが大きな課題になりつつあった。

 このような中、衆参両院は昨年、北方四島を「我が国固有の領土」と初めて明記した改正北方領土問題等解決促進特措法(北特法)を全会一致で成立させた。

 改正北特法は根室支庁地域への支援拡大により返還運動を支え、返還運動の後継者育成も推進する。

 学校の教科書にも北方領土が「不法に占拠」されたと明確に記述されることになった。これを機に、北方領土返還に向けた国民的世論をさらに盛り上げていきたい。

 昨年12月に訪露した岡田克也外相はナルイシキン大統領府長官との会談で、日露間の領土問題を解決することを唱えたロシアのノーベル文学賞作家、故ソルジェニーツィン氏の次の一節(草思社『廃墟のなかのロシア』より)を紹介した。

 「他に例を見ないようなエセ愛国主義の意固地と傲慢から、日本に南クリル諸島(千島列島)を返還することは拒んできている。(中略)国土の狭い日本がこれらの島の返還を要求するのは、国家の名誉、威信に関わる大問題だからである」

 また、ソルジェニーツィン氏はこの中で、北方四島がロシアに帰属していたことは一度もないと指摘。1855年に日露和親条約を締結したプチャーチン提督が、現在日本の主張する国境を認めていたことにも言及している。

非難決議は全く不当だ

 ロシアは改正北特法に強く反発し、下院は「北方領土がロシア(旧ソ連)に移ったのは第2次大戦の結果である」とし、平和条約交渉が暗礁に乗り上げた場合「その責任はすべて日本側にある」とする非難決議を採択した。

 この非難決議は全く不当なものである。ロシアは真摯に反省し、認識を改めるべきだ。


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