■特集・米中間選挙
ブッシュ外交に陰り−アジア歴訪米中間選敗北の影響じわり対北朝鮮圧力強化も不発米中間選挙後、ブッシュ大統領にとって初の外国訪問となったアジア歴訪。中間選挙で与党・共和党が十二年ぶりに民主党に議会多数派を譲る結果となり、アジア太平洋経済協力会議(APEC)に参加した一部の首脳からは選挙結果の影響を懸念する声も上がった。中間選挙での敗北は「ブッシュ外交」にも少なからぬ影響を及ぼしている。 ◇外交的敗北 ブッシュ大統領は、北朝鮮の核実験後初めて開かれた本格的な国際会議であるAPEC首脳会議で、北朝鮮に核放棄を迫る圧力を強化することを今回の歴訪の最重要目的の一つとしていた。 圧力強化の手段として、米国は北朝鮮の核・ミサイル実験への懸念を表明し、国連安保理決議に基づき核放棄を北朝鮮に迫る文言を首脳宣言に盛り込むよう主張。しかし、これに中国が反発し、最終的に議長の口頭声明に「格下げ」された。 米政府高官は、口頭ではあるもののAPEC首脳会議で北朝鮮に対し、核放棄を求める強いメッセージを発した意義を強調したが、記者団からは「外交的敗北」と皮肉る声も出た。 また、ブッシュ大統領は盧武鉉韓国大統領との会談で、北朝鮮の核拡散を防止するため、大量破壊兵器拡散防止構想(PSI)への正式参加を要請。盧大統領はPSIへの「可能な限りの協力」を約束したが、正式参加は拒否した。 ◇選挙結果に懸念も 「中間選挙は今後の対中政策に影響しますか」「対中政策に一切、影響はないのでご心配なく」――。米政府筋によると、十九日に行われた米中首脳会談では、こうしたやりとりがあったという。 ハドリー大統領補佐官(国家安全保障担当)も、一部の首脳がブッシュ大統領に中間選挙の影響を質問したことを認めた上で、「大統領は現在の路線で外交政策を継続することを明確に表明した」と述べた。 ◇遠い自由への道のり ブッシュ大統領は、自らの信念である「自由と民主主義の拡大」を初めて訪れたベトナムでアピール。ハノイ市内のカトリック教会のミサに出席した際、「世界中のすべての人々が宗教の自由を享受できるようになることが、私の願いだ」と語った。 クリントン氏に次いでベトナムを訪れた二人目の米大統領となったブッシュ氏を、市民は沿道で手を振るなどして温かく迎え入れた。 イラク戦争の泥沼化で強まる批判を意識したかのように、大統領はベトナム戦争の教訓として、「自由と民主主義への道のりは遠い」と指摘。米国と連合国がイラクを見放して撤退しない限り、イラクの民主化も実現すると訴えた。 最後に訪れたインドネシアでは、同国初の直接選挙で選ばれたユドヨノ大統領が主導する民主主義を高く評価。しかし、ベトナムとは対照的に、インドネシアでは、イラク戦争に反対し、ブッシュ大統領の訪問に抗議する大規模デモが各地で繰り広げられ、大統領はわずか数時間の滞在で早々と帰国の途に就いた。(ジャカルタ時事)
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