米ハリケーン被害

細菌感染で二次災害の恐れ

ハリケーン被災地ニューオーリンズ 退去要請に抵抗も

 【ニューオーリンズ(米ルイジアナ州)8日時事】米南部を襲った大型ハリケーン「カトリーナ」で冠水したルイジアナ州ニューオーリンズでは八日までに、取り残された遺体や汚水の腐敗が進み、細菌感染による二次災害が拡大する恐れが出てきた。同市は避難を拒む住民に退去を要請しているが、抵抗も強い。逆に、避難先から自宅へ戻ろうとする被災者の車が渋滞を引き起こす事態も起きている。

 冠水地域からの排水作業は続いているが、市内にある百四十八基のポンプのうち稼働しているのは二十三基にすぎず、作業終了のめどは立っていない。日中の気温が三○度を超すニューオーリンズでは、滞留した水や放置されたごみ、収容を待つ遺体の腐敗が急速に進行。西ナイル熱を媒介する蚊も大量発生している。

 米疾病対策センター(CDC)は、汚水中の細菌数が安全基準の十倍以上に達していると指摘。市内に残っている一万−一万五千人とみられる住民に「絶対に汚水に触れないように」と警告している。また、被災者の移動に伴って各地の避難所に感染が広がる恐れもあると説明、既に五人が亡くなったとしている。

 市内では八日も軍や警察が家屋を一軒一軒回り、退去に向けて住民を説得しているが、移送先での生活不安などから高齢者を中心に避難を拒絶する人も多い。一方で、家財道具を残して退避した住民の一部は、避難生活にしびれを切らし、自宅に戻り始めた。市内へ通じる幹線道路は被災者の車と救援活動に向かう軍関係の車両で終日渋滞している。

 ルイジアナ州当局はハリケーンで百九十六人の死亡を確認したとしているが、遺体の捜索活動は難航しており、正確な人数は依然不明のまま。



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