米ハリケーン被害

衛生状態に懸念、住民強制退去へ

細菌感染で5人死亡か−米ハリケーン被災地

 【ニューヨーク7日時事】大型ハリケーン「カトリーナ」の最大の被災地となった米南部ルイジアナ州ニューオーリンズ市は七日までに、冠水した市街地に残留している住民の強制退去を警察当局などに命じた。市内に残る水がガソリンや下水などで汚染され、健康被害の懸念が高まっているためだが、再三の退去命令を無視してきた約一万人に上る住民の間に反発が広がる事態も予想される。

 一方、米疾病対策センター(CDC)は、被災した高齢者ら五人が汚染した水を通じた細菌感染とみられる症状で死亡したことを明らかにした。細菌は「ビブリオ・バルニフィカス」と呼ばれ、傷口から感染した可能性が高いという。CDCは感染症の大規模な流行は起きていないとした上で、避難所での感染拡大防止が最優先課題になっていると強調した。

 ネーギン市長は六日夜、「私有地にいたり、退去を望んでいなかったりしたとしても、全員を強制的に立ち退かせる権限」を警察当局や軍に与えたとする緊急声明を発表した。市長は先に、市内に残る水は汚染されている上、漏出したガスと混ざった場合は爆発が起きる恐れもあると指摘、市街地は「安全な環境ではない」との認識を示していた。

 市内では七日も陸軍工兵隊による排水作業が続けられたが、百四十八基の排水ポンプのうち、実際に稼働しているのは五基にすぎず、作業完了には少なくとも三週間、長ければ三カ月近くかかる見通しだ。強制退去命令は排水作業の長期化に備えた措置とも考えられる。ただ、警察が直ちに住民の排除に踏み切るかどうかは不透明だ。



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