米ハリケーン被害

市内になお1万人−米ニューオーリンズ

排水作業が本格化

新学年迎え教育問題も

 【ニューヨーク6日時事】大型ハリケーン「カトリーナ」の被害からの復興が始まった米南部ルイジアナ州ニューオーリンズでは、冠水した市街の排水作業が本格化する中、依然として約一万人の住民が市内にとどまっている。州兵ら五万人の兵力投入で治安はほぼ回復したものの、停電が続く中で水や食料が不足、伝染病の発生も懸念されるため、当局は早期の退去を促している。また、全米のほとんどの公立学校で六日から新学年がスタート。被災した児童・生徒への教育機会の提供も急務となっている。

 同市では決壊した堤防の修復が終わり、大型ポンプを使った排水作業が進んでいる。ただ、海抜ゼロメートル以下の地域は浸水したままで、ネーギン市長は水が引くまでに三週間、がれきの除去に数週間、電力の復旧には八週間かかるとの見通しを示した。作業に当たっている陸軍工兵隊は排水に最大八十日が必要としている。

 行方不明者らの捜索も続いているが、依然として正確な死者数は不明。ルイジアナ州は五十九人の死亡を公表、ミシシッピ州ではこれまでに百五十二人の死亡が確認されている。犠牲者の総数は今後、大幅に増える見通しで、ネーギン市長は「一万人に達してもおかしくない」と指摘した。

 市警察によると、略奪が一時横行した市内は、犯罪者の射殺も辞さない強硬姿勢で臨んだ結果、治安はほぼ回復。一方で、遺体の腐敗などで衛生状態の悪化が予想されるため、今も市内にとどまっている住民に避難を呼び掛けている。

 被災者の移送活動は五日までにほぼ終了。空軍によると、ニューオーリンズ空港からは計九千七百八十八人が全米の避難先に移送された。

 ただ、被災者の受け入れは限界に近い。ルイジアナ州の西に隣接するテキサス州には二十四万人が流入。ペリー州知事は「他州で被災者の受け入れ準備が整っている所もある」として、他州の協力を求めた。また、避難生活の長期化に伴い、避難先の児童・生徒数が急増しており、教室や教材、教員の確保などが喫緊の課題になっている。



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