
インフラ整い、再開発が正念場へ経済復興は難航−NY【ニューヨーク9日時事】米同時テロから十一日で一年。世界貿易センタービルの崩壊で大きな被害を受けたニューヨークの現場周辺では、インフラ復旧が進み、多くの商業施設が営業を再開、街は着実ににぎわいを取り戻しつつある。しかし、米国全体の景気後退の影響もあり、経済復興は道半ば。そうした中、跡地再開発の議論が正念場を迎えている。貿易センター事件の犠牲者は八日現在で二千八百一人。現場での遺体や遺品の回収作業終了後も、検視当局による懸命の身元確認作業が進められている。しかし、遺体によって死亡が確認されたのは、まだ半数程度。跡地のがれき百八十万トンは五月末までにすべて撤去された。 隣接する世界金融センタービルは四月までに全面再開、ガラスのドーム型天井が特徴の併設広場「ウインター・ガーデン」も再建された。周辺の商業施設は八割が営業を再開、地下鉄も一駅を除いてほぼ正常化し、周辺道路の96%は復旧している。近隣地区の住宅にも人が戻り、事件直後に45%に上った空室率は5%まで減少した。 しかし、経済面では厳しい状況が続く。テロ後に失われた雇用は一月の九万五千人をピークに減少しているものの、六月時点でも八万人を記録。特に大きな打撃を受けたのが観光業界で、ホテルの客室占有率は依然として、前年比減の水準にとどまっている。 経済復興のためにも、跡地の再開発が急務だが、ロワーマンハッタン再開発公社が先に提示した六つの計画案には市民が反発。新たな計画案の策定で最終決定は来春にずれ込む見通しだ。同公社は再開発の中心となるメモリアル施設への市民の意見集約を同時並行で進めているが、こちらも難航が予想されている。
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