米アップルがクリミアを「ロシア領」と明記


アイフォーンアプリを更新
ウクライナ政府は強く反発

 米アップルがアイフォーンアプリを更新し、ロシアが併合したクリミア半島をロシア領と明記した。ロシア政府当局者が27日、明らかにした。ロシアは、アップルに表示の変更を働き掛けてきており、ウクライナ政府は強く反発している。ロシア内だけの措置とみられる。

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スマートフォン「iPhone(アイフォーン)」のアプリ(時事)

 ウクライナのプリスタイコ外相は、「国際政治は得意でないはず。ハイテクとエンターテインメントに専念すべきだ」とアップルの措置を非難した。

 ロシア軍は2014年、ウクライナ領のクリミア半島に侵攻、住民投票を行い、併合を決めた。国際社会はこれに強く反発、ほとんどの国は認めていない。

 グーグル、アップルなど米企業はこれまでロシア政府から、ロシア領と明記するよう圧力を受けてきた。

 ロシア下院安全保障・反腐敗委員会のプリスカレフ委員長は3月、グーグルが、グーグルマップ上でクリミアをロシア領として表記しない「エラー」を修正したと発表。グーグルの広報担当者は当時「係争地は客観的に表記するよう努力している」と述べていた。

 下院情報委員会のレビン議員も5月、アップルの地図アプリではロシア領だが、天気予報アプリではロシア領になっていないと指摘、変更を求めていた。