平成20年12月1日

最高裁判例無視した高裁判決

「集団自決」訴訟

世日フォーラム沖縄

 沖縄県の本紙読者でつくる世日フォーラム沖縄(代表幹事・当山正範)の「沖縄と日本の未来を考える講演会」が三十日、那覇市内のホテルで行われ、沖縄戦「集団自決」訴訟で原告側弁護団の松本藤一、徳永信一両弁護士が「『集団自決』訴訟・大阪高裁判決の真実」と題して講演した。

 徳永氏は講演で、訴訟の争点である梅澤裕・元隊長らの「軍命」の有無について「大阪高裁判決では『控訴人梅澤及び赤松大尉自身が直接住民に対して自決命令を出したという事実を断定することはできず、証明できない』とし、一審の『自決命令それ自体まで認定する事には躊躇を禁じ得ない』よりも踏み込んだかたちで、『軍命があった』との証拠を認めなかった」と語り、岩波書店と大江健三郎氏の被告側が『軍命があった』との確固たる証拠を提示できなかったと高裁が判断したことを強調した。

 同氏は、高裁が軍命の存在を認めなかった一方で、日本軍の「関与」を「十分に推認できる」とした一審判決を支持し、名誉棄損と出版差し止めを求めた原告側の請求を棄却したことについて「昭和四十一年判決以来、過去四十一年間、名誉棄損のルールを定めてきた最高裁の判例を無視し、新たなルールをもって判断したもの」と語り、最高裁が従来の判例を変更するかどうかが今後の争点になると指摘した。

 また松本氏は「最高裁が名誉棄損でない事件で、高裁の判決をうけて従来の判例を変更した事例はある」としながらも「名誉棄損において真実性を証明できないで、原告側の訴えを棄却することの法律的根拠が乏しい」と述べ、最高裁が下級審判決を覆す可能性の高いことを強調した。


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