米大統領、部隊増派を決断へ

あす、イラク新戦略発表

雇用促進へ10億ドル投入も

 【ワシントン9日時事】ブッシュ米大統領は十日夜(日本時間十一日午前)、テレビを通じて演説し、新たなイラク戦略を発表する。CNNテレビなどによれば、同大統領は少なくとも二万人の米軍兵力を増強、内戦の様相を呈しているイラクの治安回復へ全力を挙げる姿勢を強調する。同時に、イラクの民心安定に向けて復興・雇用促進を眼目とする十億ドル規模の大型経済支援を打ち出す見込みで、軍事と経済を抱き合わせた包括的な戦略を推進することでイラク情勢の打開を目指す。

 イラク情勢の泥沼化を背景に、昨年十一月の中間選挙でブッシュ大統領の与党・共和党が惨敗。ベーカー元国務長官らが率いる超党派独立委員会「イラク研究グループ」は二○○八年三月までの戦闘部隊撤退を柱とする勧告書を提出していた。しかし、勧告書に対する保守派の批判が高まる中、ブッシュ大統領は実質的に勧告を退け、イラク情勢に目鼻を付けるまで本格的な撤退に応じない決意を前面に押し出す構えだ。

 増派される部隊は、イスラム教シーア派とスンニ派の両武装勢力による宗派抗争が激しさを増す首都バグダッドやその周辺地域の治安回復に投入されるとみられる。しかし、増派によって長期的に治安の回復が達成されるかどうかには、議会多数派の民主党から強い疑問が出ており、大統領の増派決断は国内政治の対決色を一段と強めそうだ。

 ブッシュ大統領はまた、イラクの治安回復には米軍の兵力強化とともに、経済政策の拡充によるイラク国民の生活安定が必要との考えに立ち、雇用創出策を柱とする経済プログラムを明らかにする。

 独立委は、イラク情勢の安定にはシリアやイランといった周辺国との対話が必要と力説したが、大統領はその意見を受け入れず、両国の関与を促す選択肢をなぜ採用しないのか、演説を通じて説明する見通しという。


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