いつでも「引き金」−米

短期決戦の作戦、既に策定

「非寛容方針」でイラク監視

 イラクが国連安保理決議を受け入れ、国連査察は二十七日に再開される見通しとなった。しかし、米政府はイラクによる査察妨害は必至とみて、攻撃態勢を整えている。最大二十五万人を投入して短期決戦でフセイン政権を崩壊に追い込む作戦も策定済み。国連安保理がイラクの「重大な決議違反」を認定すれば、いつでも「引き金を引ける状況」(米政府高官)になりつつある。

 ◇空爆直後に地上軍

 米紙ワシントン・ポストなどによると、ブッシュ大統領が承認したイラク攻撃作戦では、B1、B2爆撃機が衛星誘導爆弾を投下してフセイン大統領の警護隊施設や軍事拠点などを徹底的に破壊。一九九一年の湾岸戦争の際は四十三日間の空爆後に地上戦を始めたが、今回の作戦では、空爆開始から約十日後に地上軍を投入する。

 また、湾岸戦争で投下された精密誘導爆弾は全体の9%だったが、今回は60%を超す見通し。精密誘導弾の使用は、一般市民への被害を最小限に抑え、フセイン政権中枢部に致命的な打撃を与えてイラク軍の離反を促すのが狙いだ。

 トルコなどに展開する空挺(くうてい)部隊や海兵隊がイラク北部、南部、西部の軍施設を迅速に占領して前線基地を構築する一方、フセイン政権に迫害されてきた北部のクルド人、南部のシーア派イスラム教徒の同政権打倒運動を支援。西部への展開は、イスラエルやヨルダンをイラクのスカッドミサイルから防衛するのが主眼だ。

 ◇着々と戦力増強

 米国は湾岸海域に空母「エーブラハム・リンカーン」と「ジョージ・ワシントン」を待機させており、さらに空母「コンステレーション」を派遣。クウェートやトルコなどイラク周辺諸国には既に六万人以上の部隊が展開している。

 国防総省によると、十二月上旬までにカタールの空軍基地内に「戦術作戦センター」を設置。中央軍司令部の要員六百人が近く同地入りする。

 ◇年内攻撃説も

 ブッシュ大統領は十三日、「イラクによるいかなる欺き、否認、策謀も容赦しない」と言明、こうした米国の対イラク強硬方針を「ゼロトレランス・ポリシー(非寛容方針)」と形容した。米政府高官は「イラクの決議違反はどのようなものでも武力行使の理由となる」と強調する。

 査察再開後の焦点は、国連決議が定めている十二月八日までにイラクが大量破壊兵器の開発計画を「偽りなく」申告するかどうかだ。

 USAトゥデー紙は複数の政府高官の話として、フセイン政権がこれに違反した場合、イラク攻撃が同日にも始まる可能性があると報じた。パウエル国務長官も「イラクが協力するかどうかを見極めるため(査察状況が安保理に報告される)二月まで待つつもりはない」と指摘、早期攻撃の可能性に含みを残している。(ワシントン時事)



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