
米のイラン制裁強化に苦慮−日本政府1割超を依存 原油輸入に障害も米政府が二十五日発表した対イラン経済制裁の強化を受け、日本政府が対応に苦慮している。ブッシュ政権の強硬措置に従うなら、日本の金融機関はイラン主要銀行との取引全面停止を余儀なくされる。一方、日本は原油輸入の一割超をイランに依存しており、決済手段を失えばエネルギー危機に直面しかねない。ポールソン米財務長官は二十五日にイラン三大国営銀行の核・ミサイルやテロ支援への関与を認定した上で、「世界中の責任ある銀行や企業は三行との取引を一切停止するよう要請する」との声明を発表した。 制裁強化をにらみ、三菱東京UFJ銀行などは原油代金の決済通貨をドルから円に切り替え、米銀を経由しないイラン送金ルートを確保していた。しかし、今回の長官声明は「円建てでもイラン主要銀行との取引を許さないという、想定外の厳しい措置」(日本の財務省筋)となり、日本政府内に衝撃が走った。 財務省は情報収集を急いでいるが、現時点では長官声明以上の情報をつかめず、「同盟国の日本を窮地に立たせるのが目的ではないはず。国連にイラン制裁決議を促すつもりなのか、真意が分からない」(関係筋)という。首相官邸や関係省庁との間で突っ込んだ議論も行われておらず、開戦懸念が強まる米イラン関係に対し、日本政府の危機管理は不十分と言わざるを得ない状況だ。 今回の措置は米政府の「要請」にすぎず、日本政府による邦銀への行政指導は困難。三菱東京UFJ銀などに「自主的に」イラン国営銀行との取引を停止してもらいたいのが、政府の本音とみられる。一方、同行もマネーロンダリング(資金洗浄)の監視体制不備を理由に米当局から行政処分を下されており、イラン問題では慎重な対応が求められそうだ。 二○○六年度のイランによる対日原油輸出は一兆一千九百二十二億円に上り、日本の輸入原油全体の10・4%を占める。日本からは自動車(二百八十四億円)や建設・鉱山用機械(百二十四億円)などを輸出している。
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