■米移民問題
不法滞在者、許容か追放か移民の国に「踏み絵」−米【ロサンゼルス29日時事】不法滞在労働者を米国人として許容するのか、国外追放するのか−。ヒスパニック(中南米系移民)急増が社会問題化し、「移民の国」としての米国の在り方が試されている。隣国メキシコからの越境者が後を絶たない。母国では週給五十ドル(約六千円)がやっとだが、米国ならその六倍の三百ドルは稼げるからだ。一方、米国南西部では人手不足が深刻。カリフォルニア州の果樹園経営者は「肉体労働に従事する白人はいない。合法、不法を問わずヒスパニックを雇うしかない」と打ち明ける。工場やレストランも事情は同じだ。 ヒスパニックは米人口の12%と、白人に次ぐ人種集団に成長。ただ、ヒスパニックが八割を占める不法移民も推定千二百万人に達し、過去十年で倍増した。この急増ぶりが、保守的な地域では「職を奪う」「治安悪化を招く」と映る。 そのような懸念を背景に米議会が、不法移民を重罰に処する法案の審議を始めたため、「納税もする米国民」を自負する不法移民らによる抗議デモに火が付いた。 五月一日にも全米規模の抗議デモが繰り広げられる予定で、沈静化の兆しは見えない。今回の問題は、移民国家としての「踏み絵」となる可能性があるが、世論調査では、退去支持が53%、滞在容認は40%と、米国民の考え方は分裂したままだ。
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