平成16年1月26日
米一般教書演説の抄訳(2)
外交・安全保障政策(中)
今なおフセイン派残党の脅威
バース党政権を崩壊させた後、われわれは、暴力的なフセイン派残党に立ち向かっている。戦場でわれわれの軍隊の前から逃げ出した連中が、現在は散り散りになって陰から攻撃してくる。これらの殺人者は、外国人テロリストと共に、今もなお深刻な脅威だ。しかし、われわれは前進している。かつてイラクの全権力をほしいままにした支配者は穴ぐらで発見され、今や刑務所の独房にいる。前政権幹部五十五人のうち、われわれは四十五人を拘束、殺害した。われわれの部隊は攻勢を掛け、一日に千六百回以上パトロールし、週平均百八十回急襲を仕掛けている。サダム・フセインの悪の政権に対処するのと同様、確実にこれらの殺し屋らに対処している。
新生イラクの建設は困難な仕事だが、それは正しい。昨年一月、イラクの唯一の法律は、一人の残忍な男の気まぐれだけだった。今日、われわれの連合はイラク統治評議会と共に、権利の法案を含めた基本的法律を起草している。われわれはイラク人や国連と共に、六月末までのイラク人への全主権移譲の準備を行っている。
民主主義がイラクに根を下ろすにつれ、自由の敵たちは全力を尽くして暴力と恐怖をまき散らしている。彼らはわが国と友好国の意志を揺るがそうとしている。しかし、米国は決して悪党や暗殺者にひるむことはない。殺人者は敗れ、イラク国民は自由をおう歌するだろう。
ひと月ごとに、イラク人は彼ら自身の治安と未来に対し、より多くの責任を担いつつある。そして今夜、イラクで最も尊敬される指導者の一人、アドナン・パチャチ現イラク統治評議会議長をここに迎えたことを光栄に思う。
米国の指導力と強固な意志のゆえに、世界はより良く変化している。先月、リビアの指導者は、核兵器開発のためのウラン濃縮計画を含む彼の政権の大量破壊兵器計画を公開し廃棄することを自発的に誓約した。カダフィ大佐は、大量殺戮(さつりく)兵器がなければ、彼の国がより良く、はるかに安全になるとの正しい判断を行った。
十二年間のイラクとの外交は成功しなかったものの、九カ月におよぶ米英とリビアとの集中協議は成功した。一つの理由は明白だ。外交は効果的で、言葉は信用されなければならず、今や誰も米国の言葉を疑うことはできないからだ。
異なる脅威には異なる戦略が求められる。われわれは周辺国と共に、北朝鮮が核開発を撤廃するよう強く求めている。米国と国際社会は、イランが約束を守って核兵器を開発しないよう要求している。米国は、世界で最も危険な兵器が世界で最も危険な政権の手に渡らないようにするため全力を尽くす。
二〇〇一月九月二十日、私がこの演壇に立った際、殉職した警官の盾を持って来た。失った命の形見であり、終わっていない使命を思い起こさせる品だ。私は、あなた方とすべての米国民に、わが国を守り、われわれの敵を打ち負かすことを公約した。一人によってなされたこの誓約は、多くの人々によって守られてきた。
米連邦議会議員のあなた方は、われわれの防衛のための財源を提供し、戦争と平和の困難な票を投じた。われわれの友好国は動揺していない。米国の情報当局者と外交官は、有能かつ勤勉だ。米軍兵士は、最もつらい任務を負っている。軍事攻撃、深夜の急襲、忠実な見張りの孤独な任務において、われわれは彼らの能力と勇気を目の当たりにしてきた。われわれは彼らが帰還すれば歓喜し、命を落とせば悲しむ。私は、太平洋の空母の甲板からバグダッドの食堂にいたるまで、たくさんの部署の兵士たちに会う光栄を得てきた。
今夜は多くの兵士たちが聞いている。私は、あなた方とその家族に知ってもらいたい。米国はあなた方を誇りに思う。私の政権とこの議会は、あなた方が対テロ戦争を戦い、勝利するために必要な財源を提供する。