
復興の道険しくバリ島、テロで観光客激減【クタ(インドネシア・バリ島)12日時事】百八十人以上の犠牲者を出した爆弾テロ事件から一カ月が過ぎたインドネシア・バリ島では、復興作業が着々と進んでいる。しかし、欧米諸国が国民に「渡航自粛」を勧告したため、観光客が激減、市民にはあきらめの表情も出ている。 バリ島随一の繁華街クタ地区の事件現場。がれきの山は整理され、十五日に予定される犠牲者の集団火葬式典の準備も急ピッチで行われている。しかし、それを見詰める市民の心の修復は進んでいない。 爆弾で全壊した土産物店で働いていたトリムさん(17)は、何をする当てがあるわけでもないが、店の跡地に毎日足を運んでいる。「知り合いも亡くなった。あまりの衝撃で気持ちの整理がつかない」という。 普段なら観光客でにぎわう商店街にはまるで人けがない。クタビーチの飲食店で働く女性(57)は「湾岸戦争や米同時テロなど、これまでにも厳しい時期はあったが、この先どうなるか予想がつかない」と嘆いた。 バリ州観光局によれば、ホテルの稼働率は事件前の平均70 %から14 %に落ち込んだ。十月の観光客数は、前年同月比で約40 %減少している。 インドネシア政府と全国のホテル・レストラン協会はバリ島格安ツアーを実施、観光客誘致に乗り出した。バリ州のイガデ観光局長(43)は「今回の事態を乗り切れば、バリはより安全で豊かな島に生まれ変わる。世界がどれだけこの島を愛してくれるかにもかかっている」と話している。
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