列島を包む喜び、祝福

皇 居

お祝いの記帳に長蛇の列
「スタート重なった」新婚も

 皇太子妃雅子さまが女の子を出産されて一夜明けた二日、喜びの輪はさらに広がった。祝福の言葉に「どうもありがとう」「(新宮さまは)とても元気そう」と応じられた天皇陛下。皇后さまも「いい赤ちゃんでした」。病院に響き渡る赤ちゃんの泣き声。一層きずなが強まったといわれる皇太子ご夫妻。誕生を祝う記帳をしようとする人の波は絶えることがなかった。「自分のことのようにうれしい」。不況にあえぐ国に生まれた久しぶりの明るい話題に、人々はさまざまな思いを込めた。

 皇太子ご夫妻の初のお子さま誕生を祝おうと、皇居・坂下門前には二日朝から多くの人が祝賀の記帳(一般参賀)に訪れ、午後一時の開門前から長い列をつくった。このため、急きょ、門の外に臨時の記帳所を設け、午前中も記帳を受け付けた。

 午後一時ちょうどに門が開くと、万歳三唱の声が上がり、警察官がゆっくりと宮内庁庁舎前に設けられた記帳所へ誘導。順番待ちの人の多さに、当初、庁舎前のテント一カ所だった記帳台は増設された。

 一方、同庁所管の財団法人「菊葉文化協会」が親子で泳ぐ白鳥の図柄の記念スタンプを製作。桔梗門わきのテントや東宮御所では、記帳者らがパンフレットなどに押す姿が見られた。

 午前十時ごろから並び、真っ先に記帳した茨城県の無職岡野晋三さん(69)は「無事生まれて本当にほっとした。ゆうべは家族みんなでうまい酒飲んだよ」と破顔一笑。一日に東京都内で挙式したばかりの栃木県の秋元正行さん(28)、由佳さん(27)夫婦は「誕生と結婚、スタートが重なってうれしい」「長く待ったお子さまの誕生。成長が楽しみです」と、晴れやかな笑顔で話した。

歳末の街に活気吹き込む

雅子さまご出産「暗い世相飛ばす」

 「暗い世相を吹き飛ばしたい」。皇太子妃雅子さまが女児を出産されてから一夜明けた二日も、東京都内ではあちらこちらに祝賀ムードが広がった。師走に入って最初の日曜日。不況にあえぐ歳末の街は、新世紀のプリンセス誕生を歓迎、活気を見せ始めた。

 「大トロ千円に負けとくよ」。威勢のいい声がこだまする東京・上野のアメ横商店街は肩が触れ合うほどの買い物客でごった返していた。各店の軒先には、紅白に彩られた「奉祝」のちょうちんが三百個。「祝新宮御誕生」の横断幕も掲げられた。

 同商店街連合会の桧山健一会長(74)は「役員会でお祝いすることに決めました」。ここ数年は客足がそこそこでも、不況を反映し、財布のひもは固い。桧山さんは「米国で悲惨なテロもあったが、お子さま誕生で明るいムードを盛り上げ、暗い世相を吹き飛ばしたいですよ」と期待を寄せた。

 「歳暮商戦のピークに祝賀ムードが加わった」というのは東急百貨店東横店(渋谷区)。広報担当は「今年最高の人出。普段の日曜に比べ一・五倍に当たる八万人近く入ったのでは」と話す。

 中央区銀座の山野楽器本店には記念コーナーがお目見えし、皇后さまが作詞された「ねむの木の子守歌」や胎教用のクラシック名曲集などが並ぶ。CDには「ロイヤルべビーご誕生を祝して」とシールが張られており、手に取って見る女性も。担当者は「電話の問い合わせが寄せられている」と明かした。

 三省堂書店神田本店(千代田区)もコーナーを設置し、約十冊の雅子さまの関連書籍を並べた。十点近い雑誌の特集・増刊号が出版される予定で、通常号の十倍もの部数を既に注文。店員は「かなり出るのではないか」と話していた。

(時事)


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