世界日報 Web版

統一地方選、地域から国の在り方問い直せ


 4月に統一地方選が行われる。今夏の参院選の前哨戦とされ、与野党ともすでに臨戦態勢に入っている。地方自治の在り方だけでなく、国の未来を見据えて選挙に臨みたい。

改憲や安保にも影響

 今回の統一地方選は地方選全体の4分の1が該当する。選挙日程は天皇陛下の御譲位の日程に配慮し、都道府県と政令指定都市の首長・議員選挙が4月7日、その他の市区町村の首長・議員選挙は21日に行われる。

 地方行政は今、曲がり角に立つ。過疎化の進む地域では議員のなり手がなく、高知県大川村では議会の廃止案まで検討された。人口減と高齢化で立ち行かなくなる「限界自治体」が広がりつつある。一方で大阪府・市が「都構想」を目指すように大都市も問われている。

 過去には国政に影響を及ぼした地方選が数多くあった。1960年代の革新自治体ブームや90年代の無党派旋風(青島幸男東京都知事、横山ノック大阪府知事)、さらに橋下徹氏の大阪維新(2008年)や小池百合子旋風(16年)などだ。今回は参院選の前哨戦となるだけに与野党対決が鮮明になりそうだ。

 第1に、憲法改正問題だ。自民党は19年運動方針に改憲について「改めて国民世論を呼び覚ます」と明記する方針だが、統一地方選はその絶好の機会になるはずだ。自民党の足腰となってきた地方議員が動いてこそ、国民世論を喚起できるからだ。これに対して野党は安倍政権下の改憲阻止を目指す。草の根レベルの攻防が改憲の行方を左右する。統一地方選の結果がそのバロメーターになる。

 第2に、安全保障問題だ。左派勢力は反基地闘争を沖縄から全国に広げようとしている。東京都小金井市議会は昨年、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の県外・国外移転を求める陳情を共産党や立憲民主党系などの賛成で採択した。

 米海兵隊基地がある山口県岩国市、垂直離着陸輸送機オスプレイを受け入れる佐賀県と千葉県、新たなミサイル防衛システム「イージス・アショア」の配備候補地の秋田県と山口県などで安保論議が高まっている。統一地方選の帰趨(きすう)によっては安保が揺らぎかねない。

 第3に「家族」をめぐる攻防だ。熊本県や岐阜県などでは家庭教育支援条例を制定している。子育てサポーターや家庭教育支援員らが各家庭を訪問し、将来親になる中高生や若者が乳幼児と触れ合う体験などを実施して子供への愛や子育ての喜びを実感させる。そんな家族を守る施策に力を入れている。

 これを左派勢力は伝統的家族観に立つ保守施策と批判し、逆にLGBT(いわゆる性的少数者)の権利擁護をうたう「パートナーシップ制度」の導入を自治体に働き掛けている。立憲民主党は通常国会に「同性婚法案」を提出し、参院選には同性愛者を立候補させるとしており、統一地方選でもこの動きを強めている。

イデオロギー戦の側面も

 こうした争点で見られるように統一地方選は国の在り方そのものを問うイデオロギー戦の側面を持つ。それだけに有権者は心して臨むべきだ。