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辺野古移設、日本の安全のために不可欠だ


 沖縄県の玉城デニー知事は首相官邸で安倍晋三首相と就任後初めて会談し、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市辺野古移設に反対する立場を伝えて協議の場を早急に設けるよう要請した。

 だが辺野古移設は普天間の危険除去と抑止力維持のためのものであり、首相が引き続き推進する考えを示したのは当然だ。

玉城氏が首相と会談

 玉城氏は翁長雄志前知事の死去に伴う9月の知事選で、翁長氏の後継として辺野古移設反対を掲げ、過去最多の40万票近くを獲得して当選した。会談では知事選の結果に触れた上で「辺野古新基地は認められないという民意が改めて示された。早急に話し合いの場を設けてほしい」と求めた。

 翁長氏は生前の7月、辺野古移設をめぐって仲井眞弘多元知事による埋め立て承認を撤回する手続きに入った。翁長氏は8月に急逝したが、県は遺志を引き継いで承認を撤回した。

 しかし、辺野古移設の是非について司法の場では既に決着がついている。最高裁は2016年12月、仲井眞氏の埋め立て承認の判断に「違法はない」と結論付けた。

 会談に同席した菅義偉官房長官は、承認撤回について「精査中だ」と述べ、撤回理由の精査が終わり次第、法的措置を取ることを示唆した。訴訟になれば、県側が勝てる見込みは薄い。

 それにもかかわらず、玉城氏は移設阻止に全力で取り組む考えだ。移設先海域のサンゴを別の海域に移植するための許可や工事の設計変更など知事権限を駆使して抵抗することが予想されている。

 だが、これが本当に県民の利益となるのか。移設工事が長引けば、それだけ普天間の危険な状況が続くことになるのだ。

 普天間の周囲には病院や住宅地などが密集している。04年8月には隣接する沖縄国際大に米軍ヘリコプターが墜落。17年12月にも近くの小学校で米軍ヘリの窓枠が落下する事故が発生した。死者が出るような大事故が起きれば、住民が大きな損害を受けるだけでなく、日米同盟を大きく揺るがすことにもなる。

 辺野古移設が完了すれば、普天間の危険がなくなるだけでなく、騒音被害や基地面積も減少する。基地負担が大きく軽減されることを、政府は県民に繰り返し説明する必要がある。

 沖縄は、核・ミサイルを手放そうとしない北朝鮮や海洋進出を強める中国をにらむ戦略的要衝だ。両国の脅威が高まる中、在沖米軍の存在は重要性を増している。その抑止力を維持することは日本の安全と地域の安定のために不可欠だ。

 辺野古移設に反対する玉城氏や、共産、社民両党など玉城氏を支える「オール沖縄」勢力は無責任だと言わざるを得ない。移設完了と普天間返還は日米合意の最速シナリオで22年度だが、県との対立が激化すれば大幅に遅れるだろう。

普天間跡地開発で振興を

 普天間返還後の跡地開発による経済効果は年間3866億円で、現在の基地関連収入の30倍以上になるとされている。沖縄振興のためにも、政府は辺野古移設を急ぐべきだ。