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東京・狛江市、庁舎での「赤旗」購読禁止へ


職員の中立性確保

 全国の地方自治体の庁舎内で、議員が職員に対し政党機関紙の勧誘・配達・集金を行っている状況が問題視され、複数の地方議会で取り上げられている。東京・狛江市は、庁舎内で日本共産党機関紙「しんぶん赤旗」の配達などが慣例的に行われている状況を認め、今後は庁舎内での勧誘・配達・集金を禁止する意向を示した。

他の自治体でも議論

 狛江市議会の総務文教委員会では19日、職員の政党機関紙購読に関しての調査と、問題の是正を求める陳情が審査された。これについて共産党議員らは「憲法で保障されている思想・信条の自由を侵害するものだ」と批判。一方で、他会派の市議からは、庁舎内で勧誘・配達・集金が行われていることを疑問視する声が挙がった。辻村ともこ市議(自民)は「庁舎のカウンター内で、共産党議員が管理職の方に集金を行っているのを目撃したことがある」と話し、「本当はやめたいと思っている」といった職員の声を紹介。議員という立場からの勧誘等についても問題点を指摘した。

800政党機関紙購読に関する陳情の審査をする狛江市の総務文教委員会=19日午前、東京都(亀井玲那撮影)[/caption]

 市側は、庁舎内で共産党議員による「赤旗」の勧誘・配達・集金が行われていることについては「存じている」と認め、今後の対応について、「職員が(市民から)政治的中立性を疑われる可能性があるならば、庁舎内での勧誘・配達・集金は原則として禁止していきたい」との方針を明らかにした。また、個人的に購読する場合は「(庁舎内ではなく)自宅への配達が好ましい」とし、職員にも注意を促す考えを示した。

 東京都の大田区議会でも18日、総務財政委員会で、職員への政党機関紙の勧誘などの自粛を求める陳情が取り上げられた。委員会では、執務室内での勧誘・配達・集金の有無について実態調査を求める声が複数の会派から上がった。区側はこれに対し、「執務室は庁舎とも厳格に区別され、(執務)関係者以外の立ち入りは禁止されている」と述べ、実態調査の実施を検討する意向を示した。

 神奈川県綾瀬市では18日、本会議の一般質問で、同問題について、「赤旗」購読料が日本共産党の収入の約85%を占める(平成28年度時点)ことから、職員の政治的中立性などの問題点が指摘された。

 市は「購読している職員はいるが、実態は把握していない。思想・信条の自由にかかわるので、(匿名でも)調査は実施しない」と回答。また、議員による勧誘・販売も「業務に支障がない程度なら制限されるものではない」とするなど、消極的な答弁が目立った。

 質問を行った笠間昇市議(自民)は本紙の取材に対し、「今までわれわれ議員が問題視していなかったことにも問題があったが、一般質問の後、購読を止める職員も出てきたようだ。庁内でもこのことについて議論を深めてほしい」と今後の展開を期待した。

(政治部・亀井玲那)