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日米韓外相会談、北非核化と拉致解決へ連携を


 トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との米朝首脳会談を受け、河野太郎外相とポンペオ米国務長官、韓国の康京和外相がソウルで会談した。米朝共同声明に盛り込まれなかった北朝鮮の「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」に向け緊密な連携を確認したが、非核化への工程表を詰める米朝協議で成果を挙げるために結束し、日本人拉致問題の解決にもつなげてほしい。

 日朝交渉の用意表明

 3カ国外相会談で河野外相は、日朝で拉致問題など懸案を話し合う用意を表明した。日本人拉致問題について米朝首脳会談で、トランプ大統領は正恩氏に伝達し、正恩氏は「解決済み」という従来の立場に言及しなかったという。安倍晋三首相は拉致問題の解決に向け、正恩氏との日朝首脳会談実現に意欲を示している。

 日朝平壌宣言に基づいて、北朝鮮による拉致問題と核・ミサイル問題を解決し、日朝の国交正常化を図るのがわが国の基本方針だ。政府が認定した17人の拉致被害者のうち5人が帰国したが、拉致の疑いが拭えない特定失踪者は800人以上に上る。残る拉致被害者は当然のこと、さらに多くの解放につなげてほしい。

 北朝鮮の非核化をめぐっては、朝鮮半島非核化の建前から日朝国交、米朝国交、さらに南北統一まで展望されている。特に日朝国交の場合、無償資金協力をはじめ戦後補償を伴う。それだけに北朝鮮にも改革が起き、拉致、核・ミサイル問題の完全解決後の同国の姿が、わが国とも信頼関係を醸成し得ると見極めなければならない。

 米朝共同声明についてポンペオ氏は記者会見で「CVIDにコミットメントを持っている」と述べた。声明文は「金委員長は朝鮮半島の完全な非核化に取り組む断固とした揺るぎない決意を再確認した」と触れているが、CVIDについて具体的に盛り込まれなかった。

 これを追及した報道陣にポンペオ氏は、過去の一連の非核化をめぐる合意文を、米朝共同声明は自動的に引き継ぐという認識を示した。米朝の声明文は板門店宣言を再確認しており、同宣言文は2007年南北平和宣言(10・4宣言)の積極的推進を謳(うた)っている。10・4宣言は朝鮮半島核問題解決のための南北と日米中露による六者協議で合意された声明の履行を訴えており、その中で検証可能な非核化に触れている。

 「完全な非核化が実現して初めて制裁解除の段階に移る」とポンペオ氏は強調したが、北朝鮮は段階に応じた制裁解除を求めている。過去の原子炉爆破の演出の例からも見返りを第一とし、徐々に制裁を骨抜きにするように交渉を主導していく恐れがある。

 強い姿勢で臨む決意を

 トランプ大統領は米朝会談前に、交渉が友好的に進んでいるとの理由から「最大限の圧力」に言及しなくなったが、北朝鮮が非核化に応じなければ再び圧力を加えるとも述べていた。もとより北朝鮮は何度も約束を破っている。日米韓各国は、状況次第ではテーブルを蹴る決意をもって結束すべきだ。