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義理の赤旗購読者は10~15%


「赤旗」役所内勧誘の実態(下)

兵庫県稲美町

 「加古川市役所で100人の購読とは、ずいぶんと廃れたものですね。多い時で300部はあったと思います」

木村圭二氏

稲美町役場での「しんぶん赤旗」購読の実態を語った木村圭二町議

 こう語るのは、加古川市の隣町、稲美(いなみ)町の木村圭二町議(65)である。2015年9月の選挙で8期目の当選。5期まで共産党から出馬し、その後、党を除名となってからは無所属で活動している。

 兵庫県稲美町でも、元職を含む共産町議が少なくとも約30年前から、町役場執務室にいる幹部職員らに「赤旗」購読を勧誘してきた。現在は町長ら特別職を除く課長級以上の幹部職員29人のうち、約8割にあたる23人が私費で購読している(『産経新聞』17年12月19日付より)。

 新人議員時代、「赤旗」拡大が最優先の仕事だったという木村氏。30年前は、ずいぶんと荒っぽい拡大をしたようだ。

 「共産党の加古川市会議員が稲美町に乗り込んできて、町長が革新系でしたので、町長室に陣取り、その場で私が課長、部長に電話をして町長室に来てもらいます。職員が入ってくると、共産党市議が『おい新聞、頼むぞ』。それで一気に増えましたね。その時、全員とったと思いますね。いったん購読を止めた人も自分だけとっていないことに気が引けたのか、『また取ります』と申し出があったりしました」

 稲美町でも、加古川市が出した通知文書と同趣旨の文書を職員に出した。しかし、木村町議は今年の3月議会で「現状は庁舎内でカウンター越しに『赤旗』を配達し、購読者が不在の時はカウンター近くの職員が購読者の机上に配達している。共産党の政治活動を職員が担わされているのはおかしい。配達の補助は止めさせるべきだ」と指摘し、改善を強く求めた。

 木村氏は、自治体管理職が読まないのに義理で購読する読者を共産党内では「ギリドク」と呼ぶことを明かしながら、「今や共産党が頼るのは『ギリドク』公務員の皆さんです。公務員のギリドク読者が『赤旗』読者の10%から15%はいると思います」と指摘する。

 地方公務員の管理職は、よほどのことがない限り、共産党議員の顔色を見て、退職まで購読し続けるという。それが、「赤旗」読者の岩盤のような部分を占めていたのだ。しかし、井上氏も木村氏も「通知文書」が出されたことで「赤旗」の部数減は加速するだろうと予測する。

 神奈川県藤沢市でも今年2月中旬に、市民の大切な情報を預かる執務室内に許可なく立ち入り、政党機関紙の勧誘・配達・集金が行われないようにしてもらいたい、などの陳情が提出された。審査の結果、藤沢市議会が多数決でこれを了承。共産党の「赤旗」拡大・配達に一定の制限をかけることとなった。ネットではこれらの取り組みを大歓迎し、ほかの自治体でも陳情を出すよう呼び掛けが始まっている。3月16日、神奈川県茅ケ崎市議会でも、同様の陳情書が出され、審議の結果、賛成多数で採択された。

 こうした動きが全国に広がりつつあるものの、共産党は攻撃的な姿勢を崩そうとはしていない。3月下旬、全国で地方公務員の昇進が発表された。これを機に、「赤旗」拡大が強化されるものと見られる。

(「しんぶん赤旗」問題取材班)