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「赤旗」役所内勧誘の実態、自粛通知に共産市議改めず


「赤旗」役所内勧誘の実態(上)

兵庫県加古川市(上)

 日本共産党にとって機関紙「しんぶん赤旗」は、①党員の教育②党活動推進ツール③党活動の財政基盤――と党にとって機関車的な役割を担う。政党助成金を受け取っていない同党にとって、部数の増減はそのまま党活動の浮沈を左右してしまう構図だ。

定例職員異動リストを見て勧誘

 だが2014年1月の共産党第26回大会時の「赤旗」日刊紙、日曜版は合計124万1000部。25回党大会比で日刊紙87・5%、日曜版85・0%とかなり落ち込んだ。17年1月の第27回大会時はさらに1割近く減少し、日刊紙、日曜版合わせて約113万部となっている。ざっと十数億円弱の減収となる。

加古川市役所

係長級以上の職員約100人が私費で「赤旗」を購読していることが明らかになった加古川市役所

 ところが、ここにきて地方議会で「赤旗」勧誘・配達・集金方法をめぐって改善を求める陳情が相次ぎ、部数減がさらに加速するという局面を迎えつつある。その実態をリポートする――。

 兵庫県加古川市役所。「産経新聞」17年12月5日付が「赤旗」購読の現状を詳細に伝えた。加古川市役所で元職を含む複数の共産市議が少なくとも20年以上前から、主に係長級以上の職員の執務室を訪問するなどして「赤旗」の購読を勧誘してきた。結果、係長級以上の職員約750人のうち、現在は約100人が私費で購読しているという。

 この報道に衝撃を受けた岡田康裕(やすひろ)・加古川市長は12月26日付で、「赤旗」の配布、集金、勧誘に当たり執務室への入室を禁止。購読の勧誘は勤務時間外に行う、と記した文書を共産党の岸本建樹市議と高木英里市議に対して通知。職員に対しても「自律ある判断を願う」と伝えた。

 さらに今年に入って加古川市民が「庁舎内における職員への政党機関紙の勧誘・配達・集金を禁止するよう求める陳情」を提出した。①庁舎内に許可なく立ち入り、政党機関紙の勧誘・配達・集金が行われる事がないように②市職員が政党機関紙の購読を強制(心理的強制を含む)されることのないように③機関紙購読を拒否した場合でも嫌がらせなどを受けないことを担保するため、職員の相談窓口設置を、といった内容だ。

 この陳情が審議された3月1日の加古川市議会で、岸本市議は「行政資料として販売している。積極的に読んでほしいという思いからだ。市会議員は、特別公務員の立場があり、部屋に入るときは断って入室している。強制勧誘はあり得ない。嫌がらせもない。きれいに紳士的にやっている」と正当化する発言に終始したのだ。こうしたすっかり開き直った態度に、ほかの議員は「何ら改善されていない」「全く反省の心がない」と口々に発言し、あきれた様子だった。

 かつて共産党に所属し、現在は無所属の井上津奈夫市議は、この審議の中でこう発言した。

 「3月の定例職員異動リストを見て、市会議員3人で昇進した職員の所へ『赤旗』の勧誘に行けば、断りにくいのでということで岸本建樹議員から誘われて行ったことがある。が、あまりしたくはなかった。それを、岸本議員が共産党地区委員会に『赤旗』拡大に消極的な議員として(自分のことが)報告され、党から議員団の結束を乱している、として除籍処分の理由とされた」

 果たして「赤旗」を拡大しないと党から除名されるのか。加古川市に井上市議を訪ねた。

(「しんぶん赤旗」問題取材班)