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民進党大会、辻立ちから出直し存在を示せ


 民進党は党の分裂から初めての党大会を開催し、政権選択の可能性を高めるため早期に新党に移行するなどとした活動方針や、衆院選で党公認候補を擁立せず、希望の党に公認申請するとした前執行部の決定を「判断の誤り」とした活動報告などを採択した。

 だが、多くの有権者にとって依然として分かりにくい立ち位置にいることは否めない。

中道的「新しい党」目指す

 党大会では、大塚耕平代表が「志を同じくする仲間を糾合し、できる限り早期に、幅広い中間層から支持される中道的な『新しい党』への移行を目指す」と訴え、「政権を担える政党に生まれ変わることが必要だ」と力説した。しかし、展望は開けていない。

 その呼び水としての統一会派構想は、希望の党と幹部間で合意したものの、両院議員総会で承認を得られずに挫折し、立憲民主党からはそっぽを向かれている。

 両党を「友党」と大塚氏らは呼ぶが、見通しは甘い。確かに「昨年まで一緒だった仲間」だが、民進党内では憲法改正などをめぐって対立してきた険悪な関係だった。

 メッセージを寄せた立憲民主党の枝野幸男代表、希望の党の玉木雄一郎代表に自由党の小沢一郎代表を加えての「友党」演出は、かつて旧民主党に期待を寄せて政権を託した有権者3000万人を愚弄している側面もある。反自民・公明を掲げても反対するだけで中身がなく、自らの党さえ粉々にする人々にとても日本の舵(かじ)取りを任せることはできない。

 民進党はまず中規模政党の位置の確保を目標とすべきだ。民進党として衆院選を戦わなかったことを間違った判断だとして謝罪しているが、「友党」を頼みにしたり「新党」への移行を唱えたりしているのは、党運営に自信が持てないからだとみられても仕方があるまい。マスコミも注目しなくなった。むしろ、消えかけている存在感を街頭演説など辻立ちから自らの力で挽回する必要がある。

 党大会では、地方議会議員ら党地方組織の存在が民進党の消滅を防いだことが表れていた。国会議員と地方議員らが前後ではなく、横並びに着席するなどの演出や「大切なものは地域にこそある。国民生活向上の政党―地域主義の徹底へ」という活動方針を冒頭に打ち出したことにも示されている。

 ただ、地方議員からの活力は国会議員が激減した民進党にとって貴重ではあるものの、地方政治は外交・安保への視点は弱い。ボトムアップの議論に国政的な視点が欠けていないか、懸念されるところだ。

 寄せ集めの再編反省を

 党分裂により党内の対立要因がある程度外へ吐き出されたことから、大塚執行部の党改革への議論は周到に進められており、党にまとまりを持たせる機会でもある。半面、議論に飽きた議員らの離党、立憲民主党への流出も見られる。

 中道勢力の結集に向けては、離合集散、寄せ集めの過去の政界再編を反省し、政党らしい政党として長持ちすることが不可欠である。