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「赤旗」突出 1021部、全国都道府県庁の政党機関紙購読


【特報’17】

公費から年3200万円超
本紙調査 議員の批判拡大も

 世界日報はこのほど、情報公開などの手続きを経て、47都道府県庁における公費による政党機関紙購読の実態を調査した。その結果、日本共産党系機関紙の総部数は1021部に達し年間出費も3200万円を超えた。大量の同党機関紙を購入している県議会ではこれを問題視する議員も出ており、購入見直しの動きが拡大する可能性が出てきた。全国の都道府県庁における政党機関紙購読調査は初めて。

各県の政党機関紙購読部数

 本紙調査は、公文書開示請求のほか、県から「情報提供」という形で、データの提供を受けたケースもあった。県庁の出先機関まで調査したが、一部、知事部局だけの県がある。茨城、新潟のデータは今年3月現在のもの。

 調査によると、全国で日刊「しんぶん赤旗」(1カ月3497円)が合計717部、「しんぶん赤旗」日曜版(同823円)が215部、県版の機関紙が89部で総合計が1021部に達することが判明した。これは、公明党の機関紙「公明新聞」505部の2倍以上。一番少なかった自民党機関紙「自由民主」323部の3倍以上に当たる。

 これを年間の支出額で見ると、共産党に対して約3247万円と突出。社民党に326万円弱、公明党に1144万円弱で、自民党は165万円弱にすぎないことが分かった。

 本紙は各都道府県の過去5年から10年にさかのぼり調査したが、ほぼ同数で推移してきたことから、こうした購読状況が10年以上も前から続いてきたものとみられる。

 また、「赤旗」などの共産党機関紙の総部数が、他党の機関紙部数を上回っているのは31都道府県に上っていることも分かった。他の機関紙と同数の4県を合わせると35都道府県になる。

 また、日刊、日曜版の「赤旗」と「兵庫民報」「高知民報」「新ぐんま」「新かながわ」など共産党各県委員会が発行している県版を合わせた数がとりわけ多いのは、千葉県の115部を筆頭に、埼玉県の99部、岡山県の97部、兵庫、和歌山両県の73部、富山県の69部と続き、愛知、静岡、神奈川、愛媛の各県も40部以上となっている。

 一方、東北、四国、九州における政党機関紙の購読部数は極めて低いことも分かった。10部以下の県が秋田、岩手、鹿児島など18府県あった。長崎県は東京事務所で「公明新聞」1部だけを購入。福井県も1部。熊本県、沖縄県に至っては全く購入していない。

 これは、政党機関紙を公費で購入しなくても、通常業務には差し支えがないということを示唆しており、「赤旗」を多数購読している県では議員らから「見直し作業が必要」との声が強まる可能性が出てきた。

「赤旗」配達の経験もある元党員の安東幹氏は、「議員は、地域や職場の有力党員と共に、地域や職場を回り、赤旗を勧めて回るのが日課だ」と指摘。そのため、都道府県庁に執拗(しつよう)なまでの拡大路線が浸透したことを明らかにした。しかし、地方議会では「予算の配分権は知事の専権事項だが、それらの購読に多額の公費を費やすことは、許されるものではない。私は、直ちに検討し、是正し、機関紙購読料を削減すべきであると思う」(9月20日の岡山県議会で波多洋治・自民県議)といった批判も出てきており、今後、多数購読が明らかになった各県を中心に、追及の声が増えることが予想される。