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玉木希望代表、政策優先の執行部人事を


 希望の党は国会議員団を率いる初代の共同代表に玉木雄一郎衆院議員を選出した。共同代表の小池百合子氏と良好な関係を維持しつつ、対戦した大串博志氏をどう処遇し挙党態勢を構築していくかが当面の最大の課題だ。政策マンとしての玉木カラーを出していくためにも、幹事長、政調会長などの執行部人事は政策を最優先に断行すべきである。

容易でない体制づくり

 玉木代表は「全員野球で取り組めるような体制を早急に構築したい。できるだけ元気でフレッシュな布陣にしたい」と語った。共同代表選で安全保障関連法や憲法9条改正の是非など国家の基本政策で大きな隔たりを見せただけに新体制づくりが容易ではないだろう。

 懸念されるのは、関係修復を優先して、玉木氏の主張や政策が後退しないか、である。玉木氏は安保法に関して「廃止、白紙化は法理上も難しい」とし、「運用によっては憲法違反の疑いがある」と述べ、改正案提出を検討する考えを示した。これに対して、大串氏は「容認する立場にはない」と語り、希望の路線変更を主張した。

 だが、北朝鮮による核・ミサイルの脅威が高まる中で、安保法に反対するだけでは何の対策にもならない。むしろ、問題点があれば改正案を提出して整合性のあるよう働き掛けていくことの方が国民から理解されやすいアプローチではないか。

 憲法改正についても玉木氏は「9条を含めてしっかり議論すべきだ」と主張、大串氏は「9条改正は不要」との立場だ。玉木氏の見解は、小池百合子代表の考えに近く改憲志向の「保守政党」を目標とし、立憲民主党とは一線を画している。

 大串氏の主張が、希望の党に入党する際の「踏み絵」とも言われた政策協定書や衆院選公約と正反対なのも、同党への信頼を削いでいる。「現行の安保法制は憲法に則り適切に運用します」と明記された公約を掲げて戦ったのではなかったか。

 代表選で玉木氏が39票、大串氏が14票と大差がついたが、基本政策の異なるグループが混在するようでは第2民進党と言われても仕方がない。野党連携の在り方をめぐっても、「まずは自分たちの党の基盤を固めてしっかりした考え、立ち位置を明確にしていく」考えの玉木氏と「無所属、民進党、立憲民主党と統一会派を組むことを目指す」大串氏は違う。

 こうした違いをどう克服し党内をリードしていくのか。玉木氏は「離党者を出してはいけない」と周囲に語るが、挙党態勢構築を優先して政策や党運営で譲歩を繰り返すようでは国民の失望を買うことになる。それを忘れてはならない。

健全な国民政党に期待

 そのため、近く行う執行部人事は玉木氏にとって最初に待ち構える高いハードルだ。これまでの民進党のように、安倍政権の言うことには反対するという姿勢では国民不在の政治になってしまう。政権に対して「補完勢力にはならない」との姿勢を明確に示しつつ、論戦を深めて共通項を模索し是々非々で対応する健全な国民政党になることが期待される。