【東京10区】 若狭失速、自・立急追に苦戦


 「しがらみ政治の安倍政権に『ノー』の一票を」。12日夜、JR池袋駅西口近くのスーパー前。雨が降りしきる中、数人の聴衆を前に若狭勝が声をからして訴えた。

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駅頭で演説を聞く有権者ら=18日夕、東京都豊島区

 若狭は小池百合子代表の右腕。昨年の衆院補選で圧勝し、知名度は群を抜く。解散直後は楽勝ムードが漂っていた。だが、「希望旋風」の失速でその勢いにも陰りが見える。自民、立憲の追い上げを受け、横一線のデッドヒートを繰り広げている。  自民にとっては、7月の都議選で小池・都民ファーストに大敗を喫し、負けられないリベンジ選挙であり、最重点区の一つだ。10区奪還へ、前回、比例単独で初当選した鈴木隼人を擁立した。しかし、「知名度の低さ、準備不足は否めない。厳しい戦いだ」と選対幹部は危機感を隠さない。

 事態打開のため党本部は幹部を投入しテコ入れ。公示日には小泉進次郎筆頭副幹事長が来援。その後も菅義偉官房長官や茂木敏充経済再生担当相ら党幹部が続々と応援に駆け付けた。

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 安倍晋三首相も18日夕、今回東京で行う初めての演説を池袋駅東口で行った。首相は「当選したいがために看板を変える人を信用できるか。国民の生命と幸福を守ることができるのは私たちだけだ」と訴えると、大きな声援と拍手が沸き起こった。

 立憲の鈴木庸介は、NHK記者のキャリアを生かしながら細かな地域まわりで票の獲得を狙う。

 14日の午後3時、池袋駅東口での立憲の合同街頭演説会に約1000人が集まった。演説した枝野幸男代表は、自公など改憲勢力優勢の情勢を意識してか、「今回は右か左の選挙ではない。憲法を守れるかどうかの選挙だ」と声を張り上げた。聴衆から「リベラルの最後の砦だ」と声が上がる。枝野は「立憲民主党の旗の下で一緒に戦いませんか」と呼び掛けた。(敬称略)

(岸元 玲七)