迫る東京都知事選 首相以上に富裕なポスト


 東京都知事選が迫ってきた。東京都は地方自治体の中で最強最大の存在だ。時には首相と肩を並べるほどの実力者がいた。首相は日本政治の中心的人物に違いないが、惜しいことにみんなカネがない。年がら年中ピイピイしている。政治家のクセにカネがないとは、大仕事はできないという証拠だ。

 それに比べると東京都知事はカネ持ちだ。日本一の富裕自治体として都民の税金がガッポリと入る。都知事はカネに困るということがない。もし首相と都知事を兼職するようなことになると、日本一の強力首相といわれるのは火を見るより明らかだ。

 しかし、都知事は自治体の長で、中央政界とは無関係だ。それでも、もし首相と都知事に同一人物が選ばれたら、何事もスイスイとうまくいくことは疑いなしだ。7年後の東京オリンピック招致に成功しながら、関係者は頭が痛い。カネがないからだ。そのカネが東京都からホイホイ回ってくる。世界がびっくりするような絢爛豪華な東京オリンピックが実現可能だ。

 首相は国会議員の中から国会の議決で指名される。地方自治法により、地方公共団体の長は、衆院議員又は参院議員と兼ねることができない。だから首相と都知事の兼職はできない。もっとも、その地方自治法を改正すれば可能である。

 首相と都知事の兼職は、政治常識としてもケタ外れだ。でも、それなら一度みんなそう思い込んでいる政治常識をかなぐり捨てて、法改正に踏み込んでみたらどうか。今までの日本とはまったく別の日本が出現するかも知れない。首相がカネをジャブジャブ使える日本、何と素敵な国ではないか。

 これは、国民にそれだけ雄大な構想がなく、永田町に小粒な政治家だけが集まっているせいかも知れない。日本よ大志を持てだ。政治家だけではなく、日本人全体がそうだ。社会常識を打ち破り、新奇な発想をドンドン採用し、実行すれば、それだけで日本は世界の一流国になれる資格がある。

 永田町を見てつくづくそう思わないわけにはいかない。国民の先頭に立って号令をかけなければならない永田町が尻込みしている。見るに堪えない風景だ。

 日本人は昔は進取の性格を持っていた。国際的にも常に「オレがオレが」と出しゃばったものだ。

 謙虚も結構だが、度を越すと臆病になる。もっと世界に向かって自己主張せよだ。今年の日本の課題は威張らず自己主張することだ。

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