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過激化する国会前集会、「市民」大半は共産系団体


 「森友・加計」やイラク日報などの問題を追及し、内閣総辞職を求める集会が14日午後、東京・永田町の国会前で開かれた。そこに現れたのは、かつての反安保法制デモを主導した若者のグループ「SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動、シールズ)」の中核メンバーたちだった。集会に参加したのは日本共産党直系団体の構成員や左派系団体が多く、高齢者が目立った。「市民」をかたりながら、実際は「全学連」の同窓会の様相を呈していた。
(社会部 川瀬裕也)

 「安倍はヤメロ!」――。

鉄柵破壊、車道占拠、逮捕者も
元シールズ幹部が新組織

 鳴り響く太鼓の音に合わせ、「市民」と自称する人たちが品のない言葉で政権批判をする。警察官が道路両側に設けた鉄柵を補強しているすぐ横で「これは弾圧だろ!」「警察帰れ!」と罵声を浴びせて威嚇した。集会第1部が終了すると、さらにエスカレートし、後方から「前へ!前へ!」と掛け声が上がった。直後、一部が暴徒化。警察官の制止を押し切って、20メートル近い鉄柵を破壊。国会前の車道へなだれ込み、占拠した。柵を無理やり乗り越えようとした際、止めに入った機動隊員とトラブルになり、逮捕者も出るほどだった。今回の集会は主催者発表で3万人が参加したという。

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「安倍内閣退陣」を訴える集会の参加者ら=14日午後、東京・永田町の国会議事堂前

 同集会の主催は「未来のための公共」(未来公共)と「Stand For Truth」(SFT)、「総がかり行動実行委員会」(総がかり)という三つの団体。「未来公共」は、政治について幅広い世代で自由に話せる場をつくろうと2017年3月に新設された。しかしその実態は、溝井萌子、殿垣くるみ、馬場ゆきの各氏ら現役学生、福田和香子氏ら元シールズの中核メンバーで構成されている組織だ。

 「SFT」もまた、元シールズのリーダー格だった奥田愛基氏(一橋大学大学院)らが、森友問題追及のために立ち上げたばかりの組織。奥田氏らは暴徒に紛れて、国会前車道の中央に陣取り、3年前と同じようにラップ調の音楽に乗って「安倍やめろ」を繰り返した。中核メンバーの本間信和、諏訪原健(共に筑波大学大学院)の各氏らもやはり元シールズの幹部。つまり、元シールズメンバーが新組織を設立して盛り上げようと暗躍していた形だ。

 ただ、「未来公共」「SFT」ともに同集会の告知をSNSで長期間行い、若者の参加を呼び掛けてきたが、現場に若者の姿はほとんど見られなかった。

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警察が設置した鉄柵を破壊する参加者ら=14日午後、東京・永田町の国会議事堂前

 また、「総がかり」は、15年の「安保法」反対の大規模デモを主催していた組織。集会のスピーチ前の歩道は、全日本民医連、自治労連、青年法律家協会、自由法曹団、全日本教職員組合、新日本婦人の会、革新懇、あかつき印刷、民主商工会など日本共産党直系の団体が埋め尽くしていた。

 これに先立ち、3月19日に行われた「国会議員会館前行動」(主催・総がかり)に参加していた団体は、全日本年金者組(共産党系全労連)、キリスト者平和ネット(宗教団体)、憲法を生かす会(新社会党系)、市民と政治をつなぐ江東市民連合(市民連合)、国土交通労組(全労連)、戦争をさせない1000人委員会(旧社会党系)、武器輸出反対ネットワーク(構造改革系過激派)、労働運動活動者評議会(同)、民主主義的社会主義運動・MDS新聞(同)など。歩道を占拠し、通行人お構いなしで「安倍内閣退陣」を叫んでいた。これらの団体のほとんどが、14日の集会に参加していた。

 結局のところ国会周辺でのデモ集会は「市民」の名をかたりながら、安倍政権の打倒のみを目的とした政治行動である実態が浮き彫りになった。