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皆川優太君「人を守る自衛官に」と夢を語る


中越地震から10年、土砂崩れ生還の優太君も12歳

皆川優太君「人を守る自衛官に」と夢を語る

柔道の稽古に打ち込む皆川優太君(右)=11日、新潟県魚沼市

 68人が死亡した新潟県中越地震から、23日で10年になる。土砂崩れで車ごと生き埋めになりながら、約92時間ぶりに救出された当時2歳の皆川優太君(12)同県魚沼市は、感謝の思いを胸に「自衛官とか人を守る仕事がしたい」と夢を語る。

 現在は中学1年。身長170センチ、体重64キロの恵まれた体格を生かし、柔道に打ち込む毎日だ。6月の大会では優勝した。「まだ力だけだから、技もかけたい。もっと強くなりたい」と稽古に励む。

 二次災害の危険がある中、ハイパーレスキュー隊などの懸命の活動で「奇跡の生還」を果たした優太君。「守られっぱなしでは悪い。自分も守る仕事がしたい」と言う。御嶽山の噴火や広島市の土砂災害現場で活動する自衛官や消防隊員の姿を見て、「他の人のために命を張って助ける姿はかっこいいと思う」。

 車に同乗していて亡くなった母貴子さん当時(39)と姉真優ちゃん同(3)の記憶はほとんど残っていないが、「夢をかなえて、輝いているところを見せたい」と笑顔を見せた。

 祖父母と3人暮らし。祖父の敏雄さん(78)によると、優太君は生き物の命を大切にするという。2人で釣りに出かけても、「殺すのが嫌で釣った魚を食べずに育てようとする」。数年前、巣から落ちたムクドリのひなを拾ってきて、今も大事に育てている。

 祖母のミハルさん(76)も孫の成長に目を細め、「助けてくれた大勢のみなさんに本当に感謝している」と語る。優太君はここまで育ててくれたお礼を「じいちゃん、ばあちゃんに言いたい」と話すが、敏雄さんは「恩は自分らではなく、優太の子供に返してくれたらいい。家庭を持って子供を育てる、それが一番の親孝行だ」とさらなる成長を願っている。