警視庁、機動隊で初の女性副隊長が誕生


「経験生かし活動に理解深めたい」と宮崎真由美警視

警視庁、機動隊で初の女性副隊長が誕生

警視庁第5機動隊の隊員から報告を受ける宮崎真由美副隊長(左)=18日、東京・永田町

 警察の中でも「男性社会」が色濃い機動隊に今春、初めて女性の副隊長が誕生した。警視庁第5機動隊の宮崎真由美警視(46)。「伝統は引き継ぎつつ、経験を生かして活動への理解を深めたい」。異例の登用にも気負わず、隊員300人と米大統領来日の警備に臨む。

 抜てきした同庁の幹部は「女性登用の本気度が伝わる上、気さくで努力家の宮崎さんは適任だった」と説明している。

 宮崎さんは交通部門が長く、難関をくぐり抜けて白バイ隊員を務めたこともある。警備部門では、皇族の護衛を4年半担当したほか、テロを防ぐ官民協力の枠組みづくりに奔走。企業を訪ね歩き、理解を求めた。

 ただ、機動隊の勤務はない。デモや雑踏の警備、爆発物処理、災害救助…。腕力が求められ危険も伴うため、全国の隊員8000人のうち女性は1%余にとどまる。

 「務まるのか」。不安を抱いたが、警察官の夫(47)から「驚いているのは隊員も同じ。自分らしくやればいい」と助言され、気持ちを切り替えた。

 着任して1カ月。平均年齢27歳の若手隊員に交じり、盾やヘルメットなど重装備の訓練をこなす中で、団結力の強さを肌で感じた。「一人一人に個性はあっても、任務には真っすぐ向かう」。こうした伝統は「大切に引き継ぐ」と決意する。