中露が接近する新冷戦構造


茅原 郁生

海洋に加え大陸も舞台

拓殖大学名誉教授 茅原 郁生

 本年になって中国は南シナ海での岩礁の埋め立てや基地化、港湾や滑走路の建設など海洋活動を活発化し、関係国との摩擦はグローバル化している。6月には米国防総省年次報告書の警告やシンガポールで開催されたアジア安全保障会議での日米豪防衛相からの「深刻な懸念」の表明などが続いた。さらに先進7カ国首脳会議(G7)での首脳声明でも懸念が盛り込まれた。最近発行されたわが国の今年度版「日本の防衛」(防衛白書)も懸念を示し、「高圧的な海洋進出」を批判している。


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