終戦70年を巡る報道に思う


杉山 蕃

頼りない「悲惨」一辺倒

元統幕議長 杉山 蕃

 終戦70年の今年、先の戦争に関する多くの報道がなされている。いずれも戦争の被害が如何に大きなものであったかを生存者の証言を加え、二度と起こしてはいけないと訴える態度であり、誠に結構な事と考えている。しかし、後期高齢者になった筆者は、最近、報道している皆さんにやや頼りなさに似た感じを持つようになってきた。それは、報道する人達が、経済成長・豊穣(ほうじょう)の時代に育って、戦争とはやってはいけない悲惨なものという通常の社会心理を根拠とし、戦争の実体験がないことによるものと考えている。


...【全文を読む】
記事の全文をご覧になるには会員登録が必要です。
新規会員登録へ
ログインへ