論難に返す靖国神社異見


髙橋 正

「荒ぶる魂を鎮める」処

評論家 髙橋 正

 菩提寺が東京の小石川にあった関係で、筆者は毎年、お盆には帰路、「ミタママツリ」で賑わう九段の靖国神社に参詣するのを常とした。「護国の英霊を祀(まつ)る」というこの神社創設以来の厳(いか)めしい建前とは別に、境内は日本各地の神社の御祭礼の例に漏れず、庶民的な「縁日の賑わい」で、それが下町育ちの筆者には、何よりも安らぎを与えてくれた。実はこの「安らぎ」こそ、我々日本人が「神仏」ないし「宗教」に求める本質ではなかったのだろうか。


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