大震災3年に宗教を考える


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文明を再生させる役割

哲学者 小林 道憲

 わが国が東日本大震災に見舞われて丸3年になり、徐々にではあるが復興しつつあるようである。ただ、あまり注目されていないことだが、この大震災からの復興で宗教が果たした役割も大きかったと言わねばならない。宗派を問わずに遺骨や位牌(いはい)を預かった寺院、埋葬や法要の営みで寺院が果たした鎮魂の役割、破壊された寺や神社の再建、お墓の建て直し、村や町の祭りの復活などが、人と人のつながりを強化し、それが結果的には、経済の再建にもつながってもいった。


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