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インフル猛威、1度かかっても油断は禁物


 インフルエンザが猛威を振るっている。厚生労働省は、1月27日までの1週間に報告された患者数が1医療機関当たり57・09人だったと発表した。

 調査を開始した1999年以降の最多を更新し、患者数の推計は約222万6000人に上っている。

二つの型が同時に流行

 患者数の報告は、全国約5000の定点医療機関が行っている。1月20日までの1週間では推計約213万人に達し、前週の163万5000人から急増した。ここからさらに約10万人増えたことになる。

 1医療機関当たりの患者数も昨シーズンピークの54・33人を上回っている。休校や学年閉鎖、学級閉鎖となった保育所、幼稚園、小中高校も前週の6343施設から8928施設と大幅に増えた。厚労省は最大限の警戒を呼び掛けている。

 インフルエンザにかかると38度以上の高熱や頭痛、関節痛などの症状が出る。こうした症状がある場合は、早めに受診してほしい。特に、高齢者や乳幼児、糖尿病などの持病を抱える人は重症化しやすいため注意が必要だ。

 老人ホームや病院では集団感染が発生し、亡くなった高齢者もいる。先月には東京メトロの中目黒駅で、インフルエンザに感染した女性が線路に転落し、電車にはねられて死亡する事故が起きた。体調不良で転落した可能性があるという。

 未成年者の場合、急に走り出したり、部屋から飛び出そうとしたりするなどの異常行動も見られるので警戒しなければならない。今シーズンは、子供が脳症を起こしやすいとされるH1N1型と、高齢者らが重症化しやすいと言われるA香港型が同時に拡大しているという。二つの型が同時に流行するケースはあまりなく、このことが感染拡大を深刻化させているようだ。

 インフルエンザは、咳の飛沫やドアノブなどのウイルスが体内に入ることによって感染する。予防には、外出後の手洗いを心掛け、普段から栄養と睡眠を十分に取るなどの生活習慣で免疫力を高めておくことが求められる。ワクチンを接種しておけば、発症しても重症化を防ぐことができる。

 かかってしまった場合は、無理をせず安静にして水分をしっかりと補給したい。いまは特に受験シーズンでもあるので、マスクを着用するなどして他人には極力うつさないように努める必要がある。家族が発症した時には、部屋の換気をこまめにしてほしい。

 熱が下がっても2日ほどは他人にうつす恐れがある。この期間は職場や学校には行かない方がいいだろう。1度かかっても、ほかの型のインフルエンザにかかる可能性もあるので油断しないようにしたい。

耐性ウイルスの分析急げ

 こうした中、インフルエンザの治療薬が売り上げを伸ばしている。

 昨年3月に発売された「ゾフルーザ」は、錠剤を1回飲むだけで治療効果を期待できるが、服用した患者から薬が効きにくい耐性変異ウイルスが検出されている。分析と情報提供を急ぐべきだ。