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代替フロン、温暖化防止へ回収率向上を


 エアコンや冷蔵庫などの冷媒に使われる温室効果ガス「代替フロン」の排出を抑えるため、政府は業務用の使用済み機器からのフロンガス回収を強化する方針を決めた。

 地球温暖化を防止する上で、温室効果の極めて大きい代替フロンが大気中へ放出されることは放置できない。

後を絶たない不法処分

 かつては冷媒として特定フロンが使われていた。しかし、有害な紫外線を吸収するオゾン層を破壊するため、1987年のモントリオール議定書で使用が規制された。これに代わって90年代から使われているのが代替フロンだ。

 もっともオゾン層には影響を与えないものの、代替フロンには二酸化炭素(CO2)の数百~数万倍の温室効果があり、温暖化防止の観点から問題となっていた。

 2016年のモントリオール議定書締約国会議では、代替フロンの生産を規制する議定書改定案が採択された。日本は他の先進国と共に今年から段階的に削減を始め、36年までに11~13年平均に比べて85%の生産量を削減する。

 世界中で減らすことができれば、18世紀の産業革命前からの世界の平均気温上昇を0・5度抑えることができると言われている。温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」の目標は2度未満であるが、達成は簡単ではないとされている。この意味で、代替フロンを規制する意義は大きい。

 しかし、国内では機器からの回収が進んでいない。16年に閣議決定した「地球温暖化対策計画」では回収率を20年度に5割、30年度に7割とする目標だが、17年度で4割程度にとどまっている。排出量は増加傾向にあるのが現状だ。

 15年に施行されたフロン排出抑制法は、業務用エアコンを使うビルの管理業者らに廃棄時に回収業者への引き渡しを義務付けているが、処理負担を避けるために不法に処分する例が後を絶たない。このままでは、温暖化対策の足を引っ張ることになりかねない。

 政府は来週始まる通常国会にフロン排出抑制法の改正案を提出する。これまでは繰り返し違反しなければ取り締まれなかったが、1度でも違反すれば罰金などを科すというものだ。罰則強化で回収率を向上させなければならない。

 また建物を解体する場合に回収できないケースが多いことから、改正案では解体業者が届け出る工事の情報を基に、現場で適切に回収されているか、都道府県が立ち入り検査できるようにする。

 代替フロンの大気中への放出を防ぐには、監視を強めることも必要だろう。

海外への貢献にも尽力を

 一方、政府は海外で代替フロンの回収や無害化の技術支援に乗り出す。低炭素技術を海外に導入し、温室ガスの排出削減量の一部を日本の削減分にカウントする「2国間クレジット制度(JCM)」の適用を目指すとしている。

 国内での対策を強化するとともに、海外への貢献にも尽力する必要がある。