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18年の世界、米は中国への対抗姿勢強めよ


 米国では為政者の時宜を得た演説が、長きにわたり政策として実施されると「モンロー・ドクトリン」「トルーマン・ドクトリン」のように演説者の名前と共に呼ばれてきた。

「ペンス・ドクトリン」

 ペンス米副大統領は10月、ワシントンのシンクタンクで「中国は米国に内政干渉し、これまでになく力を誇示している」とする批判を基調に、トランプ政権の対中政策について演説した。これは「ペンス・ドクトリン」と言うべきものだ。

 この中でペンス氏は、治安当局による米国の先端技術獲得、アジア、アフリカ、中南米諸国での債務外交の拡大、南シナ海の軍事拠点化、対米プロパガンダ攻勢で米世論分断を図るなどの中国の暴挙を非難。中国に対する「冷戦の宣戦布告」と言ってよい内容だった。

 確かに、中国の身勝手な振る舞いは目に余る。産業スパイによってハイテク技術が盗まれれば、軍事転用される恐れが出てくる。途上国へのインフラ支援を名目に地域で影響力を強めようとする動きにも十分な警戒が必要だ。南シナ海での一方的な現状変更は決して容認できない。米国が中国への対抗姿勢を強めるのは当然だ。

 経済から安全保障に至る幅広い中国批判を展開したペンス氏の演説は、中国に対するトランプ政権の強い姿勢を示したものだと大きな反響を呼んでいる。米紙ニューヨーク・タイムズは「新しい冷戦の前兆」と評し、米紙ワシントン・ポストは「対中戦略を根本的に転換する計画を公にした」と指摘した。

 ペンス氏は、中国からの輸入品に制裁関税を発動したトランプ大統領について「指導力は機能している。中国は別の人物が米大統領になることを望んでいる」と述べて「米国の民主主義に干渉している」と批判した。

 ペンス氏の演説について、米政治学者のウォルター・ラッセル・ミード氏は「1971年のキッシンジャー大統領補佐官訪中以来、米中関係の最大の転機になると思われる瞬間」と評価している。

 トランプ政権は昨年12月にまとめた「国家安全保障戦略」で、中国を米国主導の国際秩序を脅かす「修正主義勢力」「戦略的競争相手」と位置付けている。米国の中国に対する警戒感を示したものだと言えよう。

 一方中国は、昨年10月に開かれた第19回共産党大会で強国路線を鮮明にした。習近平総書記(国家主席)は、49年の建国から100年を迎える21世紀半ばまでに「社会主義現代化強国」と「世界一流の軍隊」の建設を目指す方針を表明。また、自ら提唱する指導思想を「新時代の中国の特色ある社会主義思想」と表現した上で、全党・全人民が「行動指針」として堅持するよう求めた。

 中国の拡張主義に対するオバマ前米政権の融和策が中国の増長を招いたとの指摘もある。米中冷戦は長期化するとの見方が強い。

日本は戦略すり合わせを

 ペンス氏は、沖縄県・尖閣諸島が「日本の施政下にある」ことも強調した。同盟国の日本としては、改めて米国と対中戦略をすり合わせることが必要だ。