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COP24 協定精神尊重しルール守れ


 ポーランドで開かれた国連気候変動枠組み条約第24回締約国会議(COP24)では、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」の運用について協議し、先進国と途上国が共通のルールを用いて温室効果ガスの排出削減に取り組むことで合意した。温暖化防止に向かう新たな一歩だと評価したい。

 環境問題は政治問題

 パリ協定では、すべての国が削減目標をそれぞれ設定して実行するが、今回も世界最大の排出国である中国は自国について「最大の途上国」と強調。これに対し、米国の交渉官らは、中国に有利なルールが適用され、先進国と途上国の「二分論」となることを警戒した。

 途上国側には、中国のほか、排出量が3位のインドも入っている。ルールを先進国と共通にしなければ、二酸化炭素削減の実効性に大きな疑問が生じるという警戒感を持つ国は少なくなかった。その結果、先進国と途上国が歩み寄り、共通のルールの下で対策に取り組むことになった。

 地球環境問題は政治問題でもある。その解決のためには、世界の政治家が大同団結して国境の壁を超え、地球規模の方策を講じることが必要である。COP24で目立ったのは、パリ協定離脱を表明しつつ、中国を警戒して戦略的に立ち回ったトランプ米政権の動きであり、結果として中国の思惑を封じることができた。

 今後、削減の具体的手法や、削減結果についての報告や検証の方法が統一されることになった。検証方法については、自らの能力に関する自主申告に基づき、途上国に一定期間緩いルールを適用する柔軟性のある内容になった。各国の自主性が尊重されるだけに、すべての国が誠実にルールを守り信用に応える必要がある。

 だが今回、温室ガスの削減目標の引き上げには踏み込めなかった。これはパリ協定に対する熱意の低下の表れでもある。ただし現在の目標を達成しても、産業革命前に比べて世界の平均気温上昇は今世紀末に3度になる。目標の「2度未満」を実現するには、思い切った削減が必要だ。

 一方、これまで協定交渉を引っ張ってきた代表格であるマクロン仏大統領ら欧州連合(EU)勢が、会議で存在感を示せなかった。この会議を象徴するもう一つの出来事だ。

 米国の協定離脱でも明らかだが、近代文明は、地球が人間の支配する工業の場となって成り立っている。先進国では、その矛盾が大きく噴き出している。

 これは、いかに先進国といえども、経済成長と地球環境保護を両立させることは容易ではないことを示しており、その対策が急務だ。

 G20首脳会議に期待

 地球環境問題における日本の役割の重要性は改めて言うまでもない。日本は過去に環境汚染問題を克服した実績を持ち、各国から評価されている。

 パリ協定の実施期間に入る半年前の2019年6月に開催が予定されている20カ国・地域(G20)首脳会議で日本は議長国を務める。環境保護の強化に向け、主導力を発揮したい。