北海道地震、被災者の救助と支援を急げ


 北海道の胆振地方中東部を震源とする大きな地震が発生し、多くの死者・行方不明者が出ている。

 被災者の救助と支援を急がなければならない。

熊本地震以来の震度7

 地震の震源の深さは37㌔で、地震の規模(マグニチュード)は6・7と推定されている。厚真町では震度7を観測した。震度7は、2016年4月の熊本地震で2度発生して以来、国内では6回目。北海道では初めて観測された。

 厚真町では大規模な土砂崩れが発生し、多くの人が生き埋めとなった。土砂崩れでむき出しとなった山肌の写真を見ると、地震のすさまじさが伝わってくる。政府は北海道で救助活動に当たる自衛隊員を2万5000人に増強する。自衛隊のほか、警察や消防なども被災者の救命・救助に全力を挙げなければならない。

 道内各地には避難所が開設され、2000人以上が身を寄せている。政府や自治体は、被災者の健康やストレスなどにきめ細かく配慮するとともに、食料や水などの供給も十分に行う必要がある。

 ライフラインの被害も非常に深刻だ。一時は道内の全約295万戸で停電が発生した。これは1995年の阪神大震災の260万戸を上回る規模だ。道内の電力需要のほぼ半分を賄っていた苫東厚真火力発電所が緊急停止したため、需給のバランスが崩れて他の3カ所の火力発電所も停止した。医療機関にも影響し、停電した災害拠点病院では非常用電源で対応した。

 一部の発電所では稼働が再開したが、全域で完全復旧するまで1週間以上かかるとみられている。このような状況を受け、東京電力や東北電力など電力大手各社は、緊急の電力供給や停電復旧を支援するため、応援要員の派遣を始めた。

 このほか、広域で断水も起きている。札幌市では家屋倒壊や液状化などの被害が出た。JR北海道は新幹線を含む道内の全線で運転を停止し、新千歳空港でも全発着便が欠航した。早期の復旧に尽力してほしい。

 今回の地震は、平野部特有の軟質な地盤に加え、台風21号による大雨で山間部の地盤が緩んだことで災害規模が大きくなった。震源の西側には、活断層である「石狩低地東縁断層帯」がある。地震で断層帯の南部が壊れ、より大きな地震が起きる可能性もある。土砂崩れが起きた場所では、土砂が谷に流れ込んでいるため、土石流などへの警戒も求められる。

 地震は政治にも影響を与えている。自民党は総裁選の日程を一部変更した。告示日の7日は立候補の受け付けのみで、候補者の所信表明と共同記者会見を10日に延期する。7~9日の3日間については、街頭演説などの活動を自粛する。政権与党の総裁選は重要だが、現在は災害対応を優先すべきであり、当然の措置だ。

被害軽減へ十分な備えを

 首都直下地震や南海トラフ地震も、いつ発生するか分からない。今回の地震から教訓をくみ取り、ライフラインを含めて被害を軽減できるように十分に備える必要がある。