世界日報 Web版

西野新監督、士気高める指導力発揮を


 サッカー日本代表の新監督に、解任されたバヒド・ハリルホジッチ氏に代わって西野朗氏が就任した。

 ワールドカップ(W杯)ロシア大会開幕2カ月前の監督交代だ。西野氏には、短い期間でチームをまとめ、士気を高める指導力が求められる。

 信頼失ったハリル氏

 西野氏の就任はハリルホジッチ氏の電撃解任を受けてのものだ。ハリルホジッチ氏は、前任のハビエル・アギーレ氏がスペインでの八百長問題に関与したため、2015年3月に日本代表の監督に就任。14年ブラジル大会でアルジェリアを初の決勝トーナメントに導いたことが評価されてのもので、日本代表監督としては6大会連続6度目のW杯出場を決めるなどの成績を残した。

 だが最近の試合は、ふがいない内容が続いたと言わざるを得ない。昨年12月の東アジアE-1選手権で、日本は韓国に1-4で敗北。日韓戦での4失点は38年ぶりという惨敗だった。今年3月のベルギー遠征では、W杯に出場しないマリとウクライナを相手に1分け1敗だった。

 チーム内では、戦術などをめぐって選手らとの不協和音が目立っていた。ハリルホジッチ氏の歯に衣(きぬ)着せぬ言動が摩擦を生んだとも言われている。

 解任について、日本サッカー協会の田嶋幸三会長は「(選手との)信頼関係がなくなった点が引き金」と説明した。W杯まで時間がないとはいえ、求心力を失った監督にこれ以上指揮を執らせるわけにいかないことは理解できる。

 西野氏は1996年、アトランタ五輪代表を率い、ブラジルを撃破する「マイアミの奇跡」を起こした。柏、G大阪などを率い、監督としてJ1リーグ歴代最多の通算270勝を記録するなどの実績を持つ。

 就任会見では「W杯だから少なくとも1次リーグを突破する力を見せたい」と決意を表明した。ブラジル大会で、日本は1分け2敗の成績でリーグ突破はできなかった。ロシア大会では決勝トーナメント進出を果たしてほしい。

 もちろん、それは簡単ではない。1次リーグの対戦相手はポーランド、コロンビア、セネガル。いずれも日本にとっては格上だ。

 西野氏は、ハリルホジッチ氏が選手に求めた縦の速さや1対1での強さを「間違いなく必要なもの」としながらも「別の角度から対応する。日本サッカーが構築してきた技術力や規律、組織的なものを結集して戦っていく」と日本の良さをベースにチームをつくる考えを示した。

 ハリルホジッチ氏を日本サッカー協会技術委員長として支えてきた西野氏は、日本代表の能力も課題もよく理解しているはずだ。西野氏は「非常に責任を感じる。精いっぱい、チームづくりをしていく覚悟」と述べた。突然の交代劇が吉と出るか、その手腕が問われる。

 1次突破への采配に期待

 日本人の指揮官は、10年南アフリカ大会の岡田武史氏以来となる。その岡田氏は、南アフリカ大会で1次リーグ突破を果たし、日本代表をベスト16に導いた。西野氏の采配に期待したい。