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こどもの日 子供の幸せは家庭強化から


 <できることたくさんあるよきみのてに>

 「こどもの日」から始まる児童福祉週間の今年の標語である。優しく見守る父母や家族の中で、自分たちの可能性や夢を感じ取る子供の、しっかりした姿が思われる。香川県の8歳児の作品だ。

離婚は子供らに打撃

 子供たちが生まれて最初に体験する家庭での祖父母、父母、兄妹などの人間関係。身近な者に愛され、互いに「思いやる」ことができて初めて、他の人を、そして社会、国家、世界、人類を愛し、平和を尊ぶようになる。だが、その家庭の力が目に見えて衰えてきている。

 その原因の一つは離婚の増加だ。1970年には100万組の婚姻件数に対し、離婚件数は10万組以下だった。それが2016年には62万1000組の婚姻に対し、実に3組に1組、21万7000組が離婚している。

 内閣府の国民生活選好度調査(1992年と2005年比較)によると、離婚を肯定する理由として「自分の生き方を大切にするようになったことの反映である」との意見が大幅に増えている(3・2%→10・6%)。

 逆に離婚を否定する理由では「子供が犠牲になる可能性があり望ましくない」の減少が顕著だ(32・4%→25・3%)。離婚に対するハードルが下がり続けているとみるべきだ。

 離婚は、ひとり親家庭を生むことになりかねない。ひとり親家庭の子供の貧困率は56・4%に上っており、経済的困難や孤立した子育ては虐待のリスクを高めている。将来を悲観し、母子心中を図るケースもある。

 また、少子化による人口減少も深刻だ。わが国では、急激に進む「非婚化・晩婚化」が少子化をもたらしている。2015年の国勢調査で日本の総人口は1億2709万人となり、前回調査と比較し96万人も減少した。

 内閣府がまとめた「平成26年度『結婚・家族形成に関する意識調査』報告書」によると、20歳から39歳の未婚者が結婚していない理由は、「適当な相手にめぐり合わない」(54・3%)が男女共に5割を超えてトップ、続いて「自由や気楽さを失いたくない」(27・2%)となっている。

 従来、子供たちに老後の面倒を見てもらうことを期待して結婚し、子育てに励んだという側面も否定できない。だが、子育てを誇り、自分たちの生活を犠牲にしてでも、子供たちだけは立派に育てようとする気概は、戦後のほとんどの親たちが共有していた人生観ではなかったか。

 しかし現在は子供を育てることが負担という感情が家庭生活に影響を与えているように見える。家庭の力の弱化は、子供たちの育成に大きな影響を与えている。

良質なテレビ番組を

 一方、子供たちを疎外する社会環境の劣悪さを強調したい。都会の街づくりの現状は、いかに便利に、いかに合理的に生活できるかという点に重きが置かれている。また昨今のテレビ番組は、旅行、趣味、健康、食などに関するものが多く、子供のための良質な番組はあまり見掛けない。「子は宝」という認識を、未来を開く社会づくりに生かさなければならない。

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