日米共同訓練、北の挑発行為を抑止せよ


 6回目の核実験や弾道ミサイル発射強行の可能性が取りざたされる北朝鮮に対し、日米などの動きが活発化している。

 日米両政府は、フィリピン海で実施した海上自衛隊の護衛艦と米海軍の原子力空母「カール・ビンソン」との共同訓練を日本海でも行う方向だ。北朝鮮への圧力を高め、挑発行為を抑止すべきだ。

日本海での実施は異例

 海自と米空母の演習はこれまでも実施されているので、それ自体は珍しいことではない。ただ今回の大きな特色は、日本海で行われることだ。

 フィリピン海でカール・ビンソンを中心とする空母打撃群と合流した海自の護衛艦2隻は、北上するカール・ビンソンに合わせて日本海に向かっている。日本海での訓練は異例で、北朝鮮による新たな挑発行為を牽制(けんせい)する狙いがある。

 安倍晋三首相とトランプ米大統領は電話会談で、北朝鮮に挑発行為の自制を強く求めるとともに、北朝鮮に影響力のある中国に一層の役割を果たすよう働き掛けていくことで一致した。

 首相は「全ての選択肢がテーブルの上にあることを言葉と行動で示すトランプ大統領の姿勢を高く評価する」と伝えた。日本は引き続き米国と緊密に連携し、高度な警戒監視態勢を維持して毅然(きぜん)と対応すべきだ。

 同時に、日本海での日米共同訓練の意義は、中国、ロシアを牽制することであることも忘れてはならない。

 ロシアは北朝鮮の貨客船「万景峰号」による定期航路の新設を決めた。これは国際社会による対北制裁の「抜け穴」になる恐れがあり容認し難い。また、中国海軍は遼寧省大連で、初の国産空母の進水に向けた作業を開始したとされる。日米はこうした中露の動きも念頭に置く必要がある。

 一方、韓国海軍はカール・ビンソンと日本海で合同演習を実施すると発表した。また、巡航ミサイル「トマホーク」を搭載可能な米原子力潜水艦「ミシガン」が韓国・釜山港に入港したという。ミシガンは空母打撃群と合流すると報じられている。北朝鮮の脅威が高まる中、米韓が連携を強化するのは当然だ。

 5月9日投開票の韓国大統領選で支持率トップの最大野党「共に民主党」の文在寅前代表は、テレビ討論会で「北朝鮮に核を完全に放棄させ、南北関係を大転換させる構想を持っており、自信がある」と強調した。

 しかし、在韓米軍への最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」配備については「(配備に反対している)中国をどうやって説得するのか」と疑問を呈している。

 韓国が北朝鮮の弾道ミサイルに対抗する上でTHAAD配備は不可欠だ。身勝手とも言える中国の言い分を、文氏が擁護する姿勢を示すのは理解し難い。北朝鮮に対する抑止力向上や圧力強化に向け、いかに中国の理解を得るかを議論すべきではないか。

中国は石油禁輸検討を

 中国は地域の大国として北朝鮮に核・ミサイル開発を断念させるため、石炭の輸入停止だけでなく、石油の輸出禁止も検討する必要がある。