千葉女児殺害、1人の登下校避ける対策を


 千葉県我孫子市でベトナム国籍の小学3年のレェ・ティ・ニャット・リンさんの遺体が見つかった事件で、県警捜査本部は死体遺棄容疑で不動産賃貸業、渋谷恭正容疑者を逮捕した。

 渋谷容疑者はリンさんが通っていた小学校で保護者会の会長を務めており、児童の通学の見守り活動にも参加していた。このような立場の人物が凶行に及んだ。児童や保護者の不安はいかばかりだろうか。

容疑者は見守りにも参加

 リンさんは先月24日朝、通学途中に行方が分からなくなり、2日後に自宅から約10㌔離れた我孫子市の排水路脇で遺体で見つかった。遺留物の鑑定などの結果、渋谷容疑者の関与の疑いが浮上した。

 渋谷容疑者はリンさんの通っていた小学校の保護者会会長を務め、入学式であいさつするなど、保護者や児童であれば誰でも知っている存在だった。通学の見守り活動などにも参加しており、こうした活動を通じてリンさんと面識があったとみられる。リンさんとの距離の近さを利用して犯行に及んだとすれば極めて卑劣で悪質だ。

 これまでも児童の登下校時の惨劇は起きている。2004年11月に奈良市、05年11月に広島市、12月に栃木県今市市(現日光市)で、いずれも下校中の小学1年の女児が連れ去られて殺害される事件が相次いだ。

 このため、学校や住民による通学路の見守り活動が普及。16年末現在で全国に約3万6000の「防犯ボランティア団体」がある。児童に全地球測位システム(GPS)付きの携帯電話を持たせる保護者も増えた。

 だが今回の事件が従来と違うのは、児童を守るべき立場の人物による犯行だということだ。本当に腹立たしく、やり切れないが、今後もこうした事件が発生しないとは限らない。登下校時の児童の安全確保のため、対策強化が求められる。

 文部科学省の調査によれば、集団登下校を実施する小学校は11年度の68・9%から15年度は63・1%へと減少している。実施できない学校にはさまざまな事情もあろうが、児童の安全確保を最優先してほしい。

 リンさんは学校まで徒歩10分程度の距離を1人で通学していたという。特に女児の場合、登下校時に1人にならないようにすべきだ。児童だけでなく、通学の見守り活動に参加する住民も、常に2人以上で行動しなければならない。児童と保護者以外の大人が1対1になる場面をなくす必要がある。

 欧米では、保護者が児童を送迎するのが当たり前だ。毎日学校まではできないとしても、集団登下校を行っているのであれば、児童の集合場所までの送り迎えは極力すべきだろう。特に集団下校は、学年によって下校時刻が違うため少人数のグループとなる。1人になりやすいので、学校や保護者は細心の注意を払う必要がある。

「防犯教育」の充実を

 児童に自分の身を守る力を付けさせることも重要だ。単に「知らない人には付いて行かない」というだけでなく、どのような場所で犯罪が起きやすいかなど、学校での「防犯教育」を充実させなければならない。