米軍機事故の犠牲者を悼む


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 米海兵隊岩国基地(山口県岩国市)所属のFA18戦闘攻撃機とKC130空中給油機が高知県沖で接触、墜落した。この事故で、在日海兵隊は、米第7艦隊と海上自衛隊、海上保安庁と協力し、行方不明者の捜索を続けていたが、11日に捜索を打ち切った。両機の7人の乗員のうち、6人が死亡した。

 事故は6日早朝、高知県室戸岬沖約100㌔の地点で発生した。当時、FA18には2人、KC130には5人が搭乗していた。沖縄県うるま市に本部を置く海兵隊第3海兵遠征軍(3MEF)は、この事故を最重大事故「クラスA」と認定した。ただ、墜落原因は未確認で、事故当時の状況については現在も捜査中だという。

 亡くなったのは、FA18操縦士のジャマール・レシラード大尉(28)、さらに、KC130乗組員のケヴィン・ハーマン中佐(38)、ジェイムズ・ブロフィー少佐(36)、マキシモ・フローレス2等軍曹(27)、ダニエル・ベイカー大尉(21)、ウイリアム・ロス大尉(21)だ。

 米海兵隊第3海兵遠征軍(3MEF)司令官のエリック・スミス中将は声明で「(不明の)兵士の救出にはあらゆる手が尽くされた。米国、日本、オーストラリアの部隊は並々ならぬ努力と共に無私無欲の米兵たちの捜索に当たった。このことが、家族の慰めとなるよう望む」と述べた。犠牲になった兵士には心からのお悔やみを申し上げたい。

 KC130は「沖縄の負担軽減」を目的として14年度、全機が普天間飛行場から岩国基地へ移駐された。在日海兵隊の大半の基地がある沖縄県にとっても他人事ではないという認識だ。地元メディアは、「今でもKC130は沖縄に飛来している」と、米軍の危険性ばかりを強調したが、哀悼の意を捧(ささ)げることはなかった。

(T)